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2021年4月14日(水)

熊本地震5年 困窮する被災者

再起途上にコロナ

 2016年に熊本県の広範囲に被害をもたらした熊本地震から14日で5年。生活・生業(なりわい)再建のさなかでの新型コロナウイルス感染症拡大が被災者の多くに影響している実態が浮き彫りになっています。

なお仮設生活

 最大で震度7を2度記録した大震災に人的被害は関連を含め死者273人に上り、重軽傷者は2735人。住家被害は19万8238棟に及びました(3月12日現在)。応急仮設住宅がピーク時には、2万211戸用意され約4万8000人が利用。3月31日現在でなお418人(150戸)が仮設での生活を強いられています。

 震災からの再建を図る途上でのコロナ拡大の影響は深刻です。一部損壊と判定された熊本県御船町の男性(68)は、約120万円かかったというドアや床などの修復費用が家のローンと重なり生活が困窮しました。さらに出来高制の給料はコロナで激減し、「電気、ガス、水道料の支払いは滞り、食事も『即席めん』などでしのいでいる」と窮状を訴えています。

 熊本地震や昨年の豪雨災害で被災者の実情調査や支援活動に学生と取り組んでいる熊本学園大学の高林秀明教授は「コロナ禍の下、熊本県の生活困窮は地震に端を発する事例が多い。公的支援のなかった(当時)一部損壊被害者は家屋の修復に利用した借入金を引きずってコロナが追い打ちをかけている。生活を立て直したくても、どうしても追いつかない現状がある」と指摘します。

 苦難の軽減をと日本共産党は「だれ一人取り残さない被災者救済」を続けています。

 熊本県甲佐町の女性(91)が語ってくれました。今でこそ、家庭菜園を楽しんだり4歳と3歳のひ孫の訪問を心待ちにする日々ですが、自宅が全壊し19年4月の災害公営住宅入居まで丸3年、避難所や仮設で暮らしました。避難所では「不安で涙が止まらなくなる」ことも。そんな時、「避難所を巡って声をかけてくれたのが日本共産党。心の支えになりました」。

相談活動継続

 同町の佐野安春、井芹しま子の両町議は、訪問や相談活動を続ける中、「災害住宅の約半数を占める独り暮らしの高齢者問題」などを課題に挙げ、「解決へ、議会でもただしていきたい」と意気込みます。

 党熊本県委員会は、震災から5年を迎えるにあたり、被災者の暮らしと生業を再建し、復興を成し遂げるまで被災者に寄り添い力を尽くす決意を表明。

 支援の継続・強化を国、熊本県に求めるとともに、熊本地震の教訓を生かし、被災者一人ひとりの幸福を追求する権利を尊重した政治の実現をと、「被災者生活再建支援法」の改正で、支援金を緊急に500万円に引き上げることや被災の実情に応じた支援ができるよう、額も対象も拡充することを求めたいとしています。


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