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2021年4月9日(金)

生活保護申請時の扶養照会

本人の拒む意向尊重

厚労省が事務連絡

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(写真)扶養照会の見直しを求める署名を提出し会見する支援団体の人たち=2月8日、国会内

 生活保護申請時に福祉事務所が申請者の親族に扶養照会をかけることが、生活困窮者が申請をためらう原因の一つになっています。生活困窮者支援団体や日本共産党が政府に改善を求めるなか、厚生労働省が全国の福祉事務所に対し、運用の改善を求める事務連絡を出したことが8日までに分かりました。

 生活保護の扶養照会に関する事務連絡は、「『生活保護問答集について』の一部改正について」(3月30日付)。適用は1日からとしています。

 「問答集」には、扶養調査に関して「『扶養義務の履行が期待できる』と判断される者に対して行うもの」と明記されました。親族からの扶養の可能性を要保護者に聞き取るなかで、「要保護者が扶養照会を拒んでいる場合等においては、その理由について特に丁寧に聞き取りを行」うことを、福祉事務所に求めています。

小池氏が追及

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(写真)質問する小池晃書記局長=1月28日、参院予算委

 生活保護申請時の扶養照会をめぐり、日本共産党の小池晃書記局長が1月の参院予算委員会で、困窮者を生活保護制度から遠ざける有害な扶養照会はやめるよう追及。田村憲久厚労相に「(法的な)義務ではない」と答弁させていました。

問答集一部改正は大きな変化

支援団体が評価

 生活困窮者支援団体の「一般社団法人つくろい東京ファンド」と「生活保護問題対策全国会議」は7日、厚生労働省通知の生活保護問答集一部改正について「実務運用を大きく改善し得るものとして評価できる点がある」との見解を発表しました。

 見解は、改正された問答集について、支援団体がこれまで求めてきた「申請者の事前の承諾」までは認めなかったものの、扶養照会を拒む申請者の意向を尊重する旨の規定が追加されたことは「大きな変化」としています。

 特に、扶養が期待できると判断される人だけに扶養照会を行うと明記した点を評価。今回の問答集の改正が、各自治体や生活保護を利用しようとする市民、支援者に広く知られ、「『不要』で『有害』な『扶養照会』が根絶されることを期待」していると述べています。


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