しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2021年4月2日(金)

きょうの潮流

 ひらひらと舞い散る花びら。桜並木の道に薄紅のじゅうたんができていました。そこに新たな一歩をふみだす4月です▼胸の内にあるのは希望だけではないでしょう。コロナ禍でうず巻く不安も。ある大学の調べでは8割もの人が何らかのストレスを感じていることがわかりました。脅かされる心の平穏はあらゆる年代に及んでいます▼災害後の心の動きには四つの周期があるそうです。発生直後の茫然(ぼうぜん)自失期、連帯して助けあうハネムーン期、抑うつや喪失感がひろがる幻滅期、復旧が進んで新生活への意欲が生まれる再建期です。ただし、復興から取り残された人との二極化も▼今回の感染拡大を「災害」ととらえ、つみ重ねてきた知見を心のケアに生かそう。精神医学の専門家たちが呼びかけています。いまは長く苦しい幻滅期に当たるとして、がんばってもダメだったという経験をくり返すと、人はがんばること自体をあきらめ、投げやりや無気力が生じると▼きのう大阪、兵庫、宮城にまん延防止措置の適用が決まりました。緊急事態宣言が解かれた東京でもそれ以降最多の感染数に。次の波を抑え込む対策を急いで打つべきときなのに、政府から伝わるのはたるんだ姿ばかりです▼心の健康には睡眠や食事、運動などで生活リズムを整えるとともに、他者とのつながりを保つことが大切だと専門家は指摘します。励ましあい支えあう。国や自治体による支援の基本も、一人ひとりに寄り添うこと。そんな社会をつくる新たな一歩としたい。


pageup