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2021年3月30日(火)

池内前議員 「ぶつかり男」被害

本人の「女性差別」抗議にネットでヘイト拡大

 日本共産党の池内さおり前衆院議員が、駅のホームで男性から意図的に激突されたことを「女性差別だ」とツイッターで抗議(26日)したところ、ネット上で池内さんへのヘイトスピーチ(差別扇動行為)や女性差別が相次ぎ、被害が拡大しています。同様の体験をした人たちからは「傷ついた人をバッシングする社会を、もう終わりにしよう」「#池内さんを支持します」などの声が広がっています。(津久井佑希)

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「ぶつかり男」の被害にあったと投稿する池内さおりさんのツイッター画面=26日

スポーツ紙が謝罪

 池内さんは駅のホームで電車から降りる人の邪魔にならないようホームドアの脇で待っていました。そこに電車から降りてきた背の高い大柄な男性が突然、方向転換して池内さんに激突。池内さんは、後ろに突き飛ばされました。駅などでわざと女性にぶつかり問題になっている「ぶつかり男」の手法です。

謝罪を求めたら

 池内さんは男性を追いかけ「痛い。謝るべきだ」と言うと、男性は「なんだよ、邪魔なんだよ、おまえ」と威圧。このままだと殴られそうに感じた池内さんは電車に向かったといいます。男性は電車のドアの前まで追いかけてきましたが、電車にまでは乗ってきませんでした。

 池内さんはツイートで経過を紹介し、「あまりに失礼。女性差別だ」「安全なはずの日常空間で、暴力や差別を受けることの理不尽さ」「弱い方に暴力で発散するのは最悪の選択肢だと思う。共に政治を変えようと、呼びかけたい」などと投稿しました。

 この投稿後、「日刊スポーツ」が「池内さおり氏、駅で男性にぶつかられ『女性差別だ』」の見出しで、池内さんに取材しないままホームページで記事を掲載。その後、池内さんが電車から降りる人を待たずに乗り込もうとしたかのようなデマがネットに流され、悪意がある絡み、攻撃が急増しました。

「#支持します」

 作家の北原みのりさんはツイッターに「日刊スポーツ、池内さんを危険に晒(さら)している 最悪!なぜ女性側から見える景色を見ようとしない?」と投稿。ライターの小川たまかさんは、池内さんに取材したうえで「状況確認をしないまま記事を書き、わざと反発を煽(あお)るような書きぶりをしている」と同紙記事へのコメントで書きました。

 他方、ネットでは、「#池内さおりさんを支持します」とのハッシュタグをつけたツイートが支持を得て、「被害者が抗議するのを叩(たた)くからこそ、被害が拡大するんじゃないですか?」などの声が広がっています。

 本紙の取材に「日刊スポーツ」は「池内さんの意向が伝わらない記事になり、至らなかった点があると反省している」と回答。記事を削除し、おわびを掲載しました。

負けていられない

 池内さんの話 こういう体験をなかったことにすると加害行為が広がってしまう。多くの人がストレスを抱えるような政治状況です。だからといって、自分より弱いものを見つけて発散するのは大きな間違いです。加害者の抱えるストレスを想像します。尊厳を傷つける政治に対し、私も声を上げます。「#池内さんを支持します」の善意の声に力をもらいました。負けていられないという気持ちです。


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