しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2021年2月17日(水)

きょうの潮流

 生まれつき茶色の髪なのに校則違反だとして黒く染めることを強要されたと大阪府立高校に通っていた女性が起こした訴訟で、大阪地裁は府に賠償を命じました。しかし黒染めさせたこと自体は不当とは認めませんでした▼少なくない学校に子どもの人権を踏みにじるさまざまな問題があります。教師による暴言や暴力、セクハラ。髪の形や色ばかりか下着の色まで規制する校則。その校則を変えようと生徒会で取り組んでも無視される―▼若者の意見を政治に届けようと活動している「日本若者協議会」は先月、「学校内民主主義」についての「提言」を文部科学省に出しました。身近なコミュニティーである学校が、自分の意見が尊重される民主主義実践の場になっていないことが、「若者の政治離れ」の大きな要因の一つだと指摘しています▼理不尽な校則や学校運営が「何を言っても無駄」という意識を子どもに植え付けていないか。同協議会が行ったアンケートでも「声を上げて学校が変わると思うか」の問いに約70%の児童生徒が「そう思わない」と答えたそうです▼「提言」は校則の改正手続きを明文化することや学校運営への生徒参加、子どもの権利条約を教員になるための教職課程に盛り込むことなどを求めています。生徒会活動や校則についての全国調査も提案しました▼森喜朗元首相の女性差別発言など政治や社会に対し高校生たちが声を上げています。人権を尊重する社会へ、若者や子どもの声をもっと反映させるときです。


pageup