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2021年1月20日(水)

罰則で私権制限強化

感染症対策に逆行

特措法・感染症法改定案

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 政府は、新型コロナウイルス感染症に対応する特別措置法や感染症法、検疫法の改定案を週内にも国会に提出しようとしています。自民党が18日の会合で了承した改定案は、入院を拒否した感染者や、営業時間短縮命令などに従わない事業者への罰則の導入を明記。罰則で国民を脅し、私権制限を強化することは、差別と分断をもたらし感染症対策に逆行するものです。

あいまいな規定

 特措法改定案は、緊急事態宣言下で都道府県知事の営業時短や休業の命令に従わない事業者に、行政罰として「50万円以下の過料」を新設します。事業者への立ち入り検査拒否は「20万円以下の過料」としています。

 さらに、緊急事態宣言前に「まん延防止等重点措置」を創設。緊急事態に至るのを避けるため、宣言前から時短命令などの私権制限を知事ができるようにするものです。命令に反した場合は「30万円以下の過料」を科すとしています。地域や期間は首相が指定します。

 しかし、どういう事態に「重点措置」指定を行うかの規定はあいまいです。要件は「政令で定める」としており政府の裁量になっています。緊急事態と違い国会への報告義務もありません。要件や国会の関与があいまいなままの私権制限は重大な問題があります。

 一方、事業者への支援は「必要な措置を効果的に講ずる」と明記します。原案では「努力」規定だったものを日本共産党や野党の要求も受け義務化しましたが、支援規模などは不明確です。

 感染症法改定案では、入院拒否したり入院先から逃げ出したりした感染者に、刑事罰の「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」を科す規定を新設。宿泊・自宅療養の協力要請に応じない場合は入院勧告できます。感染経路把握のための行動歴などの疫学調査に応じない感染者にも「50万円以下の罰金」を科します。国や知事が病院などに患者受け入れを勧告でき、従わない場合は病院名を公表するとしています。

切り離し審議を

 政府は実効性を確保するための罰則だと主張しますが、根拠はありません。政府は調査協力拒否などが起きた件数も把握しておらず、菅義偉首相も13日の記者会見で「具体的には承知していない」と述べています。刑事罰となれば、仕事ができなくなることや偏見を恐れ、感染抑止のための協力をかえって妨げる恐れもあります。

 日本共産党の志位和夫委員長は18日の党国会議員団総会で「罰則をふりかざし強制することは、相互監視、差別と偏見、社会の分断を招き、感染症対策に逆行するもの」だと批判しています。

 政府は特措法と感染症法、検疫法などの改定案を一本にまとめた「束ね法案」として提出する方向です。各法案は担当大臣も性格も異なっており、切り離して審議するべきです。(伊藤幸)


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