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2021年1月13日(水)

主張

消費税の減税

苦境に立つ国民支える決断を

 新型コロナウイルス感染拡大が世界でも日本でも経済を大きく揺さぶる中で、消費税(付加価値税)を減税する国が相次いでいます。原則としてあらゆる物品とサービスに課税される消費税の税率を引き下げることは、国民の負担を軽減し、消費を刺激し、中小企業などの売り上げに貢献する効果的な政策です。緊急事態宣言が再び出され、暮らしへの影響が長期にわたって深刻する危険が現実になっている日本でこそ、消費税率5%への減税に踏み出すべきです。

世界では50カ国以上で

 日本共産党の大門実紀史参院議員事務所と全国商工団体連合会の共同調査では、消費税の減税に踏み切った国や地域は50以上にのぼります。イタリアやフランスなどでは医療用品を減税しています。小規模事業者に対し納税を減免している国もあります。対象業者の選定など方法は国によってさまざまですが、コロナ禍のもとで消費税を減税するのは世界の流れとなっています。

 日本でも消費税減税は極めて切実です。消費税は食料など生活必需品や光熱水費など暮らしに不可欠な支出に幅広く課税されています。コロナ禍で苦境にあえぐ国民にも容赦ありません。しかも所得の低い人ほど、負担率が重くなる逆進性があります。消費税を引き下げることは、コロナで大打撃を受けている国民にとって大きな支援となります。特に所得が低い人ほど減税の恩恵があり、直接給付と同じ役割を果たします。また、中小企業に対して消費税の納税を免除することは、営業時間短縮要請による減収で苦しむ飲食店などへの強力な支援にもなります。コロナ禍で雇用と営業を守る緊急対策を急ぐとともに、国民の負担を軽減するために消費税の減税を決断することが求められます。

 日本経済を立て直すためにも消費税減税は重要です。安倍晋三前政権による2度の消費税引き上げで経済は痛めつけられてきました。とりわけ2019年10月からの10%への増税は消費不況を加速させました。10%増税後、日本の国内総生産(GDP)は3四半期連続のマイナス成長です。コロナ危機による1度目の緊急事態宣言の発令に直撃された20年4~6月期は記録的落ち込みとなりました。7~9月期になっても、GDPや個人消費の実額は、消費税増税前の水準を下回っています。コロナ関連の企業倒産や労働者の解雇・雇い止めは増加の一途です。

 2度目の緊急事態宣言によって、暮らしが立ち行かない人が続出するのは必至です。GDPがさらに低下することについても警告が相次いでいます。「コロナ恐慌」を引き起こさないために、従来の発想から転換し、思い切った対策をとることが不可欠です。消費税率を安倍前政権が引き上げる前の5%にまで戻すことが急務です。

税の公正・公平のために

 資産1000億円以上の富裕層は、コロナ禍の中で約14兆円から約22兆円へ総資産を増やしています。大企業も内部留保を積み上げています。大もうけしている富裕層と大企業に応分の負担を求めて財源を確保し、消費税を減税することは、公正・公平の税制を確立する上でも必要です。来たるべき総選挙で、消費税減税を拒む菅義偉政権を退陣させ、消費税減税を実現する政権を樹立しましょう。


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