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2021年1月7日(木)

主張

福島原発事故10年

原発ゼロへの扉をひらく年に

 東京電力福島第1原発事故から今年3月で10年です。節目の年を、原発ゼロにすすむのか、原発を永続させるのかが鋭く問われる中で迎えています。

 昨年12月、菅義偉政権は、原発を「確立した脱炭素技術」として「最大限活用していく」と明記し、新型原発の開発も行うとした「グリーン成長戦略」を決定しました。温暖化対策を口実に原発永続化をたくらむものです。

重大事故の被害直視せよ

 福島原発事故では、原子炉建屋が次々と爆発し、大量の放射性物質が放出されました。自治体が丸ごと避難するなど多くの住民がふるさとに住めなくなり、地域社会も壊されました。この現実を直視するなら、環境問題を原発推進に利用することは許されません。

 昨年の秋、菅政権は、高濃度のトリチウムなどを含む汚染水を、希釈して海洋放出する方針を決定しようとしました。全国漁業協同組合連合会が「断固反対」と総会決議したのをはじめ、福島の漁協、農協、森林組合が反対し、商工団体や自治体も風評被害への懸念を表明しました。復興のために積み重ねてきた努力が無にされかねないからです。

 方針決定は先送りされましたが、福島の復興を妨げることを意に介しない菅政権の冷酷さがあらわになりました。事故被害の全面的な賠償と暮らし、生業(なりわい)、地域の再建に真摯(しんし)に取り組む政治へと転換しなければなりません。

 事故後、広範な市民が原発反対の声を上げ、官邸前から始まった抗議行動も全国に広がりました。「原発ゼロの日本」は、国民的要求となり、国内の原発の約4割が廃止されました。日本企業の原発輸出計画もすべて失敗しました。原発訴訟では、運転差し止めや設置許可取り消しの判決が出され、賠償請求訴訟では、国と東京電力の責任が明確に認められました。

 電力供給に占める原発の比率は事故前の25%から6%に低下し、再生可能エネルギーは事故後に導入された固定価格買取制度の効果もあり、18%と倍増しました。

 いま再エネ拡大の障害となっているのが、原発や石炭火力発電所を優先する政策です。送電網への接続や供給力調整で、原発や石炭火力を守るために再エネが排除されてきました。再エネ優先へと転換しなければなりません。原発ゼロとともに、石炭火力の計画的廃止も必要です。

 温暖化対策と持続可能な社会づくりのためには、再エネの本格的導入と省エネルギーの徹底が不可欠です。コロナ禍からの経済社会の回復においても、世界の潮流は「グリーン・リカバリー」(環境に配慮した回復)です。

市民と野党の共同で

 こうした改革をすすめるのが、日本共産党など野党が共同提出した「原発ゼロ基本法案」です。すべての原発を廃止するとともに、再エネと省エネで脱炭素化をめざします。地域資源である再エネを活用することで、産業と雇用が生まれ、地域経済も再生されます。

 福島原発事故は、数々の警告を無視した結果でもあります。異論を強権的に排除する菅政権が原発を推進することほど危険なことはありません。来たるべき総選挙で、市民と野党の共同で菅政権を倒し、政権交代で原発ゼロへの扉をひらこうではありませんか。


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