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2021年1月3日(日)

主張

禁止条約発効の年

核兵器廃絶へ歴史的な前進を

 核兵器禁止条約が今月22日に発効します。年初から歴史的な条約発効という快挙で始まる2021年を、核兵器廃絶へ前進を遂げる画期の年にしていきましょう。

世界は大きく動き始めた

 核兵器はこれまで、被爆者をはじめ世界の多くの人々から「究極の悪」と厳しく非難されてきました。禁止条約発効によって、核兵器は道義的に許されないだけでなく、史上初めて違法化されることになります。核兵器を保有し、使用をふりかざす国は「無法者」とみなされ、「核の傘」に依存する国は、「共犯者」となります。

 禁止条約への国際的支持は広がり続けています。20年の国連総会では、多くの国が発効確定を歓迎する演説を行いました。各国に条約への参加を訴えた総会決議は130カ国の賛成で採択されました。条約採択(17年)に賛成した122カ国から前進しています。20近い国が批准の途上だと表明しました。現在51の批准国は21年中に70カ国を超える見通しです。この流れを押しとどめることはできません。核兵器に固執する勢力は一層追い詰められます。

 コロナ禍で延期された核不拡散条約(NPT)再検討会議が8月に開かれます。NPTが定めた核軍縮交渉の義務と核兵器廃絶の合意を核五大国に迫る重要な会議となります。禁止条約を力にした論戦、それを後押しする世論と運動の発展が求められます。

 年内には禁止条約の締約国会議が予定されています。核兵器廃絶へどのように進むのかを、市民社会の代表も交え議論されます。禁止条約を生み出した多数の非核国と市民社会の共同の流れがさらに大きく進展するでしょう。

 米ロ対立など核軍縮をめぐる情勢は厳しさもあります。しかし、大国による世界支配の時代は終わりを告げました。それは核大国の妨害を打ち破り、禁止条約発効を実現したことに示されました。条約発効が、核軍縮を前進させる力になることは間違いありません。

 禁止条約発効で、核兵器を拒否する流れは市民の運動に勢いを与え、各国の政治を変える力になるのは確実です。米国でも若い世代の核兵器廃絶支持は7割です。核抑止力に固執するバイデン次期政権の態度が、厳しく問われます。

 米国の同盟国も変化しています。北大西洋条約機構(NATO)加盟国と日韓の元首脳らが20年9月、禁止条約参加を訴えた書簡を発表し大きな反響をよびました。米国の核兵器が配備されているベルギーでは政権が交代し、新政権が禁止条約によって「核軍縮をさらに加速させる方法を模索」する方針を発表しました。同国民の8割近くが条約参加を支持しています。

背を向ける政府を変える

 唯一の戦争被爆国でありながら、禁止条約に背を向ける日本政府を変える時です。世論調査では6~7割の国民が禁止条約への参加を支持し、署名・批准を求める意見書を採択した自治体も500を超えました。国民の多数意思は明白です。「日本政府に核兵器禁止条約の署名・批准を求める署名」も各地で広がりをみせています。

 日本の禁止条約参加を実現する早道は、菅義偉・自公政権を倒し、署名・批准する新しい政権を樹立することです。総選挙で政権交代することは「核兵器のない世界」への大きな貢献につながります。


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