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2021年1月1日(金)

21年 政局展望

冷酷な新自由主義の政治を転換し野党連合政権実現を

安倍政治による負の遺産の一掃へ

 衆院議員任期満了の10月までには必ず総選挙が行われる2021年の幕が開けました。

 新型コロナウイルス感染「第3波」の拡大のなか、無為無策、逆行を続ける菅政権は、深刻な政治的行き詰まりのもとで新年を迎えました。

 昨年末12月26~27日の「読売」世論調査で内閣支持率は前回から16ポイント急落して45%に。9月16日の内閣発足時の74%から3カ月余りで30ポイント下落という歴史的な数字です。自民党参院議員の一人は「ちょっともたない。同僚の衆院議員から『地元の情勢調査の結果が厳しい。助けてくれ』と泣きつかれた」と明かし、「かといって菅さんの代わりがいるわけでもない」と自民党自身の行き詰まりを吐露します。

 支持率急落の最大の理由はコロナ対策の行き詰まり。同調査で菅政権のコロナ対応を「評価しない」が62%、「評価する」が32%となりました。メディアの世論調査のすべてで「評価しない」が大きく優勢となり、国民の8割がコロナ危機に「不安」を感じています。

 その根底には財界の利益を最優先し、国民、弱者には「自己責任」で犠牲を強いる新自由主義的な政治の矛盾があります。国民の間では「いま政治は何をしてくれるのか」という政治への切実な関心が強まり、こんな社会を続けていいのかと、前向きな模索が強まっています。そのときに、「自助、共助、公助」「まずは自分でやってみる」とあからさまに新自由主義を唱える首相でいいのか。国民的に問われています。

 来たるべき総選挙は、こうした政治、社会の在り方を根底から問い直す歴史的なたたかいとなります。

 同時に、いま菅政権を直撃しているのが「政治とカネ」をめぐり噴出する疑惑です。安倍晋三前首相の「桜を見る会」前夜祭での参加費補てん問題で、安倍氏の秘書の有罪が確定し安倍氏の国会での虚偽答弁が明白に。12月25日には安倍氏が国会での答弁修正を求めて衆参議院運営委員会での質疑が行われましたが、安倍氏の無反省なごまかしばかりが浮き彫りに。「読売」調査でも「納得できない」が76%にのぼっています。

 さらに吉川貴盛元農水相が大手鶏卵会社から現金を受け取った疑惑で吉川氏が議員辞職し、西川公也内閣官房参与・元農水相も同社から利益を得ていたとして辞職しました。河井克行元法相とその妻・案里参院議員の大規模選挙買収、秋元司元内閣府副大臣のカジノ汚職なども未解明のままです。いずれも安倍政権下での疑惑であり、「安倍政治の継承」を掲げる菅政権の大本が揺らいでいます。

 総選挙では、立憲主義破壊をはじめ強権、政治私物化、デマとフェイクで民主主義を踏みにじる安倍政治の負の遺産の一掃も厳しく問われます。

■最大の焦点

 急速に行き詰まりを深め政権担当能力の欠如があらわになる菅自公政権に審判を下し、新しい政治を実現するには、市民と野党の共闘を発展させ、政権交代を実現し、野党連合政権を樹立することが必要です。

 そのためには、野党間での選挙協力の体制、共通政策の発展に加え、政権をともにつくる合意が不可欠で、その合意に至れるかが政局の最大の焦点といって過言ではありません。

 昨年、「桜を見る会」問題での結束した追及をはじめ、国会での野党共闘は飛躍を遂げました。

 コロナ危機の深まりのもと、立憲民主党の枝野幸男代表は、新自由主義的社会からの決別と政権交代への決意を表明。市民連合が野党に対し新たに提起した15項目の政策要望では、新自由主義政治の見直しに加え、ジェンダー平等の実現が新たに盛り込まれるなど、共通政策の重要な発展もはかられています。

 安倍前首相の退陣を受けた9月の臨時国会で、日本共産党は、立憲民主党からの「菅政権を倒し政権交代を実現するために連携したい」という要請を受け、枝野氏に投票しました。この臨時国会では、菅政権による日本学術会議の会員任命拒否問題で、野党は強権政治への徹底した追及を続けました。

 こうしたなか、全国の草の根の共闘の現場では、連合政権合意を求め、政権交代実現を目指す熱いたたかいが広がっています。

■共闘を追求

 1月18日からの通常国会では、コロナ対策、学術会議問題、「政治とカネ」の疑惑解明など総選挙の帰趨(きすう)に直結する大論戦が展開されます。

 4月25日には、吉川元農水相の議員辞職を受けて衆院北海道2区補選が予定されています。羽田雄一郎参院議員の急逝も重なり、同日に参院長野選挙区補選も行われます。補選は、菅政権への審判の場となり、結果次第では政局に大きな影響を与えます。自民党関係者は「二つとも落とせば菅降ろしにもなりかねない」と語ります。

 さらに7月には東京都議選が続きます。都民の暮らしはもちろん、コロナ対応をはじめ国政の動向に重大な影響を与える政治戦です。日本共産党と立憲民主党などの野党は、相互に競い合いながら、共闘できる条件を追求します。

■党の躍進へ

 日本共産党の志位和夫委員長は昨年12月の第2回中央委員会総会で、総選挙に向けて新自由主義の転換、立憲主義の回復、自主自立の平和外交、自然と共生する経済社会、ジェンダー平等実現などの「五つの提案」を提起。どの提案も国民多数の声に沿ったもので、政治の意思さえあれば実行可能なものです。同時に、市民連合との合意などの形ですでに野党間で一致のあるもので、野党間の共通政策に発展しうる内容となっています。

 日本共産党は、総選挙で政権交代への責任を果たすとともに党自身の躍進をめざしています。目標とする比例代表選挙で「850万票、15%以上」の得票の確かな土台を築くため、1千万対話・党勢拡大をやり抜く「総選挙躍進特別期間」に取り組んでいます。

 共闘成功と党躍進を両立させ、成功させる―。共闘の中での党の前進は、党を丸ごと支持する積極的支持者の日常的拡大抜きには達成できません。同時に、日本共産党の躍進の流れをつくりだすことが、連合政権実現への最大の力となるという確信に立ち、全国の支部を主役に党員拡大を根幹に据えた全力の奮闘が続いています。

 宣伝・対話・支持拡大を通じた1千万対話の推進、500万人の後援会員をつくり、党のまわりに党支持拡大の協力者、担い手の輪をつくることも重要な課題となっています。

 強大な党建設を土台として、政権交代と野党連合政権の実現を勝ち取る1年です。

■2021年の主な政治日程

1月18日  通常国会召集

  30日  立憲民主党大会

4月25日  衆院北海道2区と参院長野選挙区の補選

6~7月   東京都議会議員選挙

(7~8月  東京オリンピック)

(8~9月  東京パラリンピック)

10月21日 衆院議員任期満了


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