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2020年12月16日(水)

共産党躍進の力で 新しい日本つくろう

日本共産党が第2回中央委員会総会

総選挙勝利へ「1千万対話・党勢拡大特別期間」を提起

志位委員長が報告

 日本共産党は15日、党本部と43道府県を結んだオンラインで第2回中央委員会総会を開きました。解散・総選挙の時期が来年4月以降になる可能性が濃厚となり、衆院の任期満了まで残り10カ月に迫るなか、今後4月末までは選挙勝利にとって極めて重要な時期になります。志位和夫委員長は報告で、2中総の主題として、4月末までの期間に、比例代表選挙で「850万票、15%以上」の得票の実現にむけた確かな土台を築くために「総選挙躍進、1千万対話・党勢拡大特別期間」(総選挙躍進特別期間)に取り組むことを提起しました。(志位委員長の結語)


「新しい日本をつくる五つの提案」(全文)

写真

(写真)第2回中央委員会総会で報告する志位和夫委員長=15日、党本部

 志位氏は、10月の幹部会で来たるべき総選挙の目標として、第1に、次の総選挙で政権交代を実現し野党連合政権を実現すること、第2に、「比例を軸に」を貫き比例代表で「850万票、15%以上」の得票を獲得するなど日本共産党の躍進を実現することを提起したと指摘。第1の目標をやり遂げるには野党の共通する決意となることが必要だとして、「現在はそのための最大限の努力をしているさなか」「政権交代と連合政権への機運を広げるために全力をあげる」と表明しました。

 第2の目標について、「どういう情勢が進展しようと、わが党独自の力で成し遂げなければならない目標だ」と強調。4月末までの期間に、「850万票、15%以上」の実現にむけた確かな土台を築くための活動に思い切って力を集中し、「わき目もふらず比例での党躍進のための活動に力を集中する」ことを呼びかけました。

 新型コロナウイルスの感染拡大で、志位氏は「医療崩壊」の危機などをあげ、「菅政権の対応は無為無策と逆行というほかない」「現状は“菅政権による人災”というべきものになっている」と批判。これに対して日本共産党は、専門家の英知に学び提言に生かす科学的姿勢を貫き、国民の苦難軽減のために献身する立党の精神に立ち、全国の草の根から取り組みを続け、政治を動かす一連の成果をつくってきたとし、「コロナから国民の命と暮らしを守りぬくために、知恵と力をつくそう」と述べました。

 発足から3カ月になる菅政権について、志位氏は「安倍前政権を上回る危険性が明らかになった。同時に、政権担当の能力を欠く姿が露呈した」と告発。▽強権政治があらわに――違憲・違法の日本学術会議への人事介入▽冷酷さ――新自由主義の暴走が具体的な姿をあらわしつつある▽説明拒否――デマ・フェイクで批判者を攻撃する▽問答無用の体質――「沖縄の歴史はわからない」と言い放つ―の四つの角度から解明するとともに、最悪の補完勢力・維新の会の破綻ぶりを告発。「どのような強権とごまかしを弄(ろう)しても、この政権と国民との矛盾は広がらざるを得ない。市民と野党の共闘の力で次の総選挙で菅自公政権を倒し、政権交代を勝ち取り、新しい政権――野党連合政権をつくろう」と呼びかけました。

 志位氏は「菅自公政権を倒してどういう新しい日本をつくるか」として、日本共産党は総選挙にむけて「新しい日本をつくる五つの提案」を訴えてたたかうと強調。(1)新自由主義から転換し、格差をただし、暮らし・家計応援第一の政治をつくる(2)憲法を守り、立憲主義・民主主義・平和主義を回復する(3)覇権主義への従属・屈従外交から抜け出し、自主・自立の平和外交に転換する(4)地球規模の環境破壊を止め、自然と共生する経済社会をつくる(5)ジェンダー平等社会の実現、多様性を大切にし、個人の尊厳を尊重する政治を―の内容を詳しく紹介。「どの項目も、国民多数の声にそったものであり、政治の意思さえあればただちに実行可能なものばかりだ」と指摘。同時に、「五つの提案」は「わが党の提案だが、その多くの内容は、市民連合との合意や法案の共同提出などの形ですでに野党間で一致があるものだ」と述べるとともに、野党が共通政策を示し、政権協力で合意すれば、政治を変える希望を国民の中で広げ、情勢の前向きの激変をつくることができると強調しました。

 あわせて、「五つの提案」を本気で実行しようとすれば、異常な「アメリカいいなり」「財界中心」という自民党政治の二つのゆがみにぶつからざるを得ないと強調。「党躍進が、『五つの提案』を実現するうえでも、日本の政治の根本的転換にとっても最大の力になることを広げに広げぬこう」と訴えました。

 第28回党大会で改定された綱領に話を進めた志位氏は「改定綱領の生命力が、1年間の世界と日本の激動のなかで鮮やかに発揮された。改定綱領は、党に新鮮な活力と科学的確信を広げている」と強調しました。

 この中で志位氏は、核兵器禁止条約が来年1月に発効することについて「心から歓迎する」と表明。世界の構造変化の力を発揮したもので、これに背を向ける日本政府のみじめな姿が際立っているとして「唯一の戦争被爆国・日本でこそ、核兵器禁止条約に署名・批准する新しい政権をつくろう」と呼びかけました。

 また改定綱領が格差拡大と環境破壊を世界資本主義の二大矛盾として特記したことが、新型コロナ・パンデミック(世界的大流行)のもとで、資本主義を続けていいのかという問いが人類に突き付けている現状をとらえるうえで力を発揮していると強調。「社会主義の原点は資本主義批判にある。根本的解決の道は社会主義にあること、社会主義の展望・希望を大いに語ろう」と呼びかけました。

 中国に対する綱領改定の重要性が中国のこの1年間の行動で証明されたとして、覇権主義的行動や人権侵害のエスカレートを告発。この対応は、「国連憲章と国際法を順守せよ」と迫る外交的包囲こそが重要だと指摘。あわせて日本政府が日中外相会談で中国側の暴論に反論しない態度を批判し、「覇権主義・人権侵害は許さないという姿勢の確立が必要だ」と強調しました。

 改定綱領でジェンダー平等社会の実現を明記した意義について、ジェンダー平等を求める運動との共同が広がるとともに、「学び、自己改革する努力を」の提起が党に新鮮な活力を生み出していると指摘しました。

 その上で、「改定綱領は、未来社会への道をより豊かに多面的に示し、未来社会論を豊かに発展させた。わが党がめざす未来社会の魅力を縦横に語ることを訴えたい」と呼びかけました。

 党大会後の党づくりの到達点について報告した志位氏は、地区委員長アンケートで、国民の変化と党の役割の響き合いなど党建設への確信などが共通して語られたと紹介。同時に、世代的継承、機関活動など打開すべき課題で党活動を発展させたいと述べました。

 志位氏は同日から来年4月まで、「総選挙躍進、1千万対話・党勢拡大特別期間」を次の四つの課題で取り組むと提起しました。

 1、宣伝・対話・支持拡大に取り組み、「1千万対話」をやりぬく。

 2、すべての支部が対応する後援会をつくり、500万人の後援会員をつくる。

 3、党員拡大を根幹にすえ、党員現勢で毎月前進し、党大会時の現勢を回復・突破する(3500人増)。すべての支部で新しい党員を迎える。

 4、読者拡大では、毎月前進を勝ち取り、前回総選挙時を回復・突破する(日刊紙で現勢の110%増、日曜版で112%増)。

 すべての課題において、世代的継承の目標と計画をもち、自覚的に推進する。

 志位氏は「『共闘の時代』の選挙に勝つうえで、この取り組みが必要不可欠だ」として、次の2点から意義を強調しました。

 第1は、前回17年総選挙の総括と教訓に立ち返り、党躍進の土台となる積極的支持者を増やすことと、党員拡大を根幹とする党勢拡大を発展させることです。

 第2は、「比例を軸に」した党躍進の流れ、躍進の政治的・組織的な勢いをつくりだすことが、総選挙を政権奪取の選挙にしていく最大の力となることです。

 志位氏は、「特別期間」を成功させるために(1)すべての支部が「政策と計画」をもち、自覚的取り組みにたちあがろう(2)宣伝・対話・支持拡大に取り組み、「1千万対話」をやりぬこう(3)すべての支部が対応する後援会をつくり、500万人の後援会をつくろう(4)党員現勢で毎月前進し、すべての支部で新しい党員を(5)読者拡大で前回総選挙時の回復・突破をやりぬこう―と提起。東京都議選など中間選挙での勝利・躍進を呼びかけました。

 最後に志位氏は「今日から4月末までの時期は、日本にとってもわが党にとっても、その命運がかかった極めて重要な時期となる。全党の力を一つに集めて『総選挙躍進特別期間』の成功を必ず勝ち取り、政権交代と野党連合政権の実現、日本共産党躍進の扉をこじあけよう」と訴えました。


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