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2020年12月5日(土)

臨時国会閉会

苦難に寄り添う政治こそ

 「国民のために働く内閣」

 臨時国会冒頭、菅義偉首相は所信表明演説でこう表明しました。これに対して、臨時国会で示し続けた菅首相の政治姿勢はどういうものだったか。

 新型コロナウイルス対策をめぐっては、専門家が相次いで人の移動が感染拡大につながると指摘したにもかかわらず、自ら主導した「Go To事業」に固執し続けています。

 感染拡大防止では、政府は東京・新宿の歌舞伎町で「大規模・地域集中的なPCR検査を実施したことにより、陽性者数が減少したことが統計的分析で明らかになっている」と認めました。

 全国の自治体で、高齢者施設を中心に「社会的検査」が広がる一方、その費用は国・地方で2分の1ずつの負担のままであり、自治体が検査拡大で二の足を踏む原因になっています。日本共産党国会議員団は、費用の全額国庫負担を求めたものの、菅内閣は背を向けました。医療機関に対する減収補填(ほてん)も同じ態度です。

 また年末年始を控え、「このままでは年を越せない」という業者の悲鳴が上がっています。事業と雇用の危機から「コロナ恐慌」を引き起こすような事態は絶対に防がねばなりません。日本共産党はこうした声を突き付け、中小企業や事業者を支援する持続化給付金の複数回の支給など、営業とくらしを守る支援を迫ったものの、ここでも菅内閣は冷たい姿勢を示しました。

 菅内閣はコロナ対策で無為無策であるばかりか、逆行しています。「国民のために働く」とは、感染拡大防止に全力をあげ、国民の苦難に寄り添い、対策をすすめることです。

 日本学術会議への人事介入をめぐっては、日本共産党や野党の追及を前に、菅首相は「答弁を差し控える」と連発し、官僚が差し出したメモを棒読み。あらゆる「任命拒否の根拠」は崩壊しました。もはや6人の任命拒否を撤回するしかありません。

 野党は、コロナ対策、安倍晋三前首相側による「桜を見る会」前夜祭の費用補填疑惑や、吉川貴盛元農水相の贈収賄疑惑の解明などに向けて、今月28日までの会期延長を要求。政府・与党はこれにも背を向けました。

 マスメディアの世論調査でも、政権のコロナ対策について「評価しない」が逆転、優勢に。学術会議の任命拒否問題でも首相の説明に「納得できない」「不十分」が6~7割です。臨時国会を通じて、政権への「期待」は急速に「不信」へと変化しつつあります。

 戦後未曽有といわれるコロナ危機に対し、国会が、感染拡大阻止にむけて日々変化する状況に対応し、国民の深刻な実態と切実な願いに応えていくことが求められています。

 同時に、来たるべき総選挙で市民と野党の共闘の前進と、日本共産党の躍進で菅政権を倒し、新しい政権をつくる政治転換がいよいよ必要になっています。

 (国会取材団キャップ 行沢寛史)


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