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2020年11月30日(月)

きょうの潮流

 ファラデーが晩年に行った講演の記録『ロウソクの科学』にロウソクから出てくる二酸化炭素の物理的性質などを語った部分があります。二酸化炭素が空気より重いことやその検出法、空気中で燃えた炭素が二酸化炭素になることなどを実験とともにたくみに話しています▼ファラデーは産業革命が進んでいた18世紀のロンドンで生まれ、先の講演はおよそ160年前のことです。世紀は移り、二酸化炭素は地球温暖化を引き起こしていることがわかり、大気中の二酸化炭素の世界平均濃度は昨年、観測史上最高でした。国連の世界気象機関が先日発表しました▼産業革命前と比べて二酸化炭素濃度は約1・5倍だといいます。しかも新型コロナウイルスの世界的流行によって産業活動が減速しても、地球規模で濃度は上昇し続けると見通しています▼世界気象機関の事務局長によると、過去の地球で同様の濃度を経験した前回は300万年前~500万年前のことだと。その時の気温は今より2~3度高く、海水面は10~20メートル高かったと▼温暖化の影響はすでに現れています。3年前の九州北部豪雨などが発生した季節や地域では、温暖化に伴って大雨が増加していたという研究結果も発表されています。先の事務局長は「一刻の猶予もない」と強調しています▼温室効果ガスの排出を実質ゼロにすると表明した政府はエネルギー政策改定の議論を始めていますが、早くも「原発を最大限活用」と打ち出しています。必要なのは持続可能な政策転換です。


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