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2020年11月20日(金)

75歳以上の医療費倍増

窓口負担1割→2割 対象200万~605万人

厚労省提示

 厚生労働省は19日、75歳以上の後期高齢者が医療機関で支払う窓口負担について、最小で約200万人、最大で約605万人を現行の原則1割から2割に引き上げるなどとした、患者負担増の複数案を社会保障審議会の部会に示しました。受診控えを懸念する医療・地方団体の委員と、「不十分だ」としてより幅広い対象設定を迫る財界側の委員とで応酬が続きました。

 後期高齢者の窓口負担は現在、年収約383万円以上の人は「現役並み」だとして3割にしています。全体の7%を占める約130万人が対象です。それ以外は1割負担で「一般所得」の人(全体の52%、約945万人)と非課税世帯が対象の「低所得」の人(同41%、約740万人)に分かれています。

 1割負担の人で「一定所得以上」を2割にするとした政府方針に基づき、厚労省は2割負担の対象として「年収240万円以上(単身世帯)の約200万人」から「年収155万円以上(同)の約605万人」まで5案を提示。外来患者は、窓口負担の上限月額を定めた高額療養費に毎回該当するのは3%にすぎず、残りの6割はすべての受診月に、同3割はいずれかの受診月に2倍の負担増が直撃します。

 厚労省は増額分に上限を設ける「配慮措置」を示しましたが、抑制額は1人あたり年平均4千円にとどまり、同3万1千円の負担増です。しかも、2年間だけの経過措置です。

 同省は、紹介状なしで大病院を受診した患者に窓口負担と別に5千円以上(初診)の追加負担を義務付ける制度について、7千円以上に引き上げるなどの案も提示。政府は、12月にまとめる全世代型社会保障検討会議の最終報告に結論を盛り込もうとしています。


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