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2020年11月18日(水)

きょうの潮流

 そこは、いっさいの命を拒絶する絶対的な闇。音も、気配もなく、吸い込まれるような漆黒が無限に広がる。自分が死の世界に包まれていることを感じていた…▼宇宙空間に出たときの感覚を野口聡一さんが語っています。その宇宙の「黒」とともに、もっとも伝えたいのに伝えきれないのが地球のまぶしさだといいます。圧倒的に放たれる光。それは“命の輝き”そのもの―(『宇宙に行くことは地球を知ること』)▼今はどんな感覚を味わっているのでしょうか。3度目の宇宙へ旅立った野口さん。国際宇宙ステーションに無事のりこみ、およそ半年の長い滞在が始まりました。その間は科学実験などを行う予定です▼今回の民間宇宙船クルードラゴンの打ち上げは、宇宙の商業利用が本格化する時代の始まりとして注目されています。民間の有人宇宙船が本格運用されるのは世界初。今後は宇宙旅行といったビジネスも進むといわれます▼限られた人たちではなく、より多くの人びとに開かれた場所になるのか。可能性と同時に懸念もわいてきます。開発や商業化が無法のまま激化し、安全や公共性が保たれるのか。大国による軍事利用の危険も現実になっているからです▼人間の経済活動の延長になりつつある宇宙。一方で地球を外から見ると、すばらしい環境にあることを誰もが気づくと野口さんは強調します。われわれ人類はすべて「宇宙船地球号」の乗組員であり、船を持続させ航海していくためには全員の協力と努力が必要になると。


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