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2020年11月10日(火)

米大統領選 バイデン氏当選確実

「分断でなく結束目指す」

トランプ氏 敗北認めず

 【ワシントン=池田晋】3日以来開票が進んできた米大統領選は7日(日本時間8日未明)、民主党のバイデン前副大統領(77)がラストベルト(さびついた工業地帯)の一角を占める激戦州の東部ペンシルベニア州での勝利を確かにし、当選を確実にしました。米メディアが報じました。共和党のトランプ大統領(74)は根拠を示さないまま選挙で「不正」が行われたと主張し、8日時点で敗北を認めていません。


 今選挙戦で最も問われたのは、新型コロナウイルスのパンデミック下においても事実に基づかず、自身と支持者本位の政治を進め、国民の分断と人種差別を広げてきたトランプ政権の4年。歴史的な高水準となる投票率で有権者は、退場の審判をトランプ氏に突きつけ、民主主義の底力を示しました。

 バイデン氏は7日夜、地元デラウェア州ウィルミントンで勝利演説を行い、7500万票以上という「米国史上、大統領選での最多得票」とともに果たした、「われら合衆国民にとっての勝利だ」と強調。「私は国民の分断でなく、結束を目指す大統領になると誓う。共和党の州も、民主党の州も、分け隔てなく一つの米国として見る大統領に」と国民融和を自らの使命に掲げました。

 トランプ氏は7日の声明で、「この選挙戦は終わりとはほど遠い。9日からわが陣営は法廷で起訴に着手する」と述べ、開票プロセスを法廷で争う姿勢を表明。ただ、トランプ氏は、自身が繰り返し主張する「不正投票」の証拠をなんら示していません。

 米CNNテレビによると8日時点で、バイデン氏が獲得した選挙人は過半数となる279人。ペンシルベニア州での勝利は、同じくラストベルトに位置するミシガン、ウィスコンシンの両州に続くもので、2016年にトランプ氏当選の原動力となった3州を奪回しました。

 バイデン氏の当選によって今後、平和裏にトランプ氏からの政権移行が実現した場合、オバマ前政権以来、4年ぶりの民主党政権が来年1月20日に発足する見通し。カマラ・ハリス上院議員(56)が、黒人・アジア系として、女性としても初めて副大統領に就任します。

 任期が2期までの現職大統領が再選されず敗れるのは、1992年に共和党のブッシュ(父)大統領が民主党のクリントン氏に敗北して以来、28年ぶり。


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