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2020年10月31日(土)

学術会議 コロナ 温暖化 新基地 核兵器禁止条約

首相の姿勢 根本から問う

小池書記局長が代表質問

任命拒否 逃げずに答えよ

参院本会議

 日本共産党の小池晃書記局長は30日、参院本会議で代表質問に立ち、日本学術会議の会員任命拒否問題や新型コロナウイルス対策など直面する重大問題について菅義偉首相の姿勢をただしました。小池氏は、学術会議の任命拒否について「民主主義と法治国家のあり方に対する菅首相の基本姿勢を根本から問うものになっている」として「菅首相には任命拒否の理由を誠実に説明する責任がある。逃げずに答えよ」と厳しく迫りました。(質問全文)(関連記事)


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(写真)代表質問に立つ小池晃書記局長。その奥は菅義偉首相=30日、参院本会議

 小池氏は、菅首相が任命拒否の新たな理由として「民間出身者や若手が少ない。出身や大学にも偏りがみられる」などと言いだしたことをあげ、具体的な根拠をあげるよう追及。菅首相が多様性を重視したといいながら50代前半、女性、その大学からただ一人という研究者の任命を拒否し、総合的・俯瞰(ふかん)的な観点をいいながら人文科学系の研究者だけを任命拒否するなど、矛盾した説明を繰り返している点をただしました。

 菅首相は「個別の会員の任命との関係は答えを差し控える」としつつ、「現在の会員は所属別にみると、旧帝国大学といわれる七つの国立大学に所属する会員が45%を占めている」「特定分野の研究者であることをもって任命を判断したことはない」などと弁明。議場からは「理由になっていない」「うそをつくな」などのやじが飛び、怒号に包まれました。小池氏は「日本学術会議法に反し、憲法で保障された『学問の自由』を脅かす任命拒否は撤回すべきだ」と強調しました。

 新型コロナへの対応で小池氏は、深刻な経営危機に直面する医療機関全体に対する減収補てんを行うよう主張。コロナ禍から誰ひとり取り残さないという姿勢を示すことが最大の経済対策だとして「大企業に対し『リストラに走るな』『今こそ内部留保を吐き出し、雇用を守る責任を果たせ』というべきだ」と迫り、「暮らしと中小企業の営業の危機に対処するためにも、緊急に消費税を5%に減税し、財源はアベノミクスで潤った富裕層や大企業に応分の負担を求める税財政の改革が必要だ」と述べました。

 さらに、菅首相が所信表明演説で触れた「2050年温室効果ガス・ゼロ」について「『空手形』に終わらせないために、いま何をなすかが鋭く問われている」と指摘。(1)石炭火力発電所の新規建設を中止し、既存石炭火力の計画的な停止・廃止に踏み切ること(2)30年の発電に占める再生可能エネルギーの目標を少なくとも4割以上にすること―を提案しました。そのうえで、原発依存から抜け出そうとしない菅首相の姿勢を「言語道断、時代錯誤の極みだ」と批判しました。菅首相は質問に答えず、「エネルギー政策について集中的に議論し、結論を出す」と繰り返しました。

 小池氏は、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設での軟弱地盤改良工事に伴い、政府試算でも完成まで12年、費用1兆円に拡大することが明らかなことなどをあげ、「沖縄の苦難の歴史に向き合い、辺野古新基地建設の断念と、普天間基地の閉鎖・撤去に正面から取り組むことこそ、政府の責任だ」と指摘。女性差別撤廃条約の選択議定書や核兵器禁止条約を、日本政府も速やかに批准するよう訴えました。


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