しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年10月30日(金)

欠員で“職務に支障”

学術会議幹部 科学技術相に訴え

写真

(写真)意見交換する学術会議幹部らと井上科学技術相=29日、東京・港区

 日本学術会議会員の任命拒否問題を同会議のあり方の問題にすりかえようと動いている井上信治科学技術担当相は29日、日本学術会議を視察に訪れ、梶田隆章会長ら主な幹部と意見交換しました。

 同会議を構成する三つの部の部長からは、菅首相の任命拒否による欠員で職務に支障が出ているとの声が相次ぎました。

 任命拒否された6人が所属予定だった1部(人文・社会科学)部長の橋本伸也関西学院大学教授は、「1部の定員70人のうち約1割が欠け、健全な活動のための条件が損なわれている。一刻も早い是正を」と求め、任命拒否が撤回されなければ、「政府との信頼関係が損なわれる」と訴えました。

 第2部(生命科学)の武田洋幸東京大学副学長、第3部(理学・工学)の吉村忍東京大学副学長の各部長も、さまざまな課題の審議にあたり「他分野との連携が重要不可欠」だと強調し、1部の欠員で、2・3部にも深刻な影響が出ている状況を報告しました。

 井上担当相は、「皆さんの意見は総理に伝える」と述べたうえで、形式的にすぎない首相の任命権を「任命は総理の権能」とし、学術会議の課題として、提言機能の強化などを挙げました。

 これに対し学術会議側からは、「諸外国に発信するため提言を英訳化したいが、リソース(財源)との兼ね合い(で困難)」(梶田会長)、「かなりの提言が政策に取り入れられ、社会から応援を頂いている」(望月真弓副会長)、「会員の推薦にあたって多くの情報を集めて検討し、ジェンダー、地域、所属大学のバランスも考えている」(菱田公一副会長)との意見が出されました。


pageup