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2020年10月2日(金)

学術会議存立 脅かす

菅首相の人事介入

任命拒否された3氏が抗議

小澤・岡田・松宮氏 要請書

 「気持ちとしては、怒りだ」―。憲法研究者の小澤隆一・東京慈恵会医科大学教授は、そう憤ります。小澤氏は、日本学術会議が会員候補として推薦しながら菅義偉首相が任命しなかった6人のうちひとりです。1日に東京都内で開かれた同会議総会の会場で小澤氏は、ともに任命されなかった岡田正則・早稲田大学法学学術院教授、松宮孝明・立命館大学大学院法務研究科教授と連名で作成した要請書を配布しました。


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(写真)日本学術会議総会=1日、東京都内

 要請書は同会議会長にあてたもの。それぞれの研究活動に基づく任命拒否ならば「憲法第23条が保障する学問の自由の重大な侵害として断固抗議の意を表します」と強調。「任命拒否の撤回に向けて、会議の総力であたる」よう求めています。

 日本学術会議法は、同会議について「わが国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、世界の学界と提携して学術の進歩に寄与することを使命とし、ここに設立される」と明記しています。

 小澤氏は本紙の取材に、学術会議の存立にかかわる重大問題だと強調。「学術会議は科学者の代表として独立して職務を行い、政府に対する提言も行う重要な役割のある機関だ。人事上の独立というのは、極めて重要な要素だ。推薦に基づいて行うべき任命を、相応な理由も明かさずに任命しないと決めた。到底認められない」と批判。今回の事態は学問の自由への重大な介入であり、学術と政治・政府の正常な関係を維持するためにも、あってはならないと語りました。

 学術会議は首相所轄ながら、独立した機関として、科学の振興や技術の発達に関する方策などについて政府に勧告することができます。

 早稲田大学の岡田氏は「学術会議の仕組みが、本来の役割を果たせないものにされてしまうことが一番問題。学術会議が今後、自分たちの問題として取り組む必要がある課題だ」と述べました。


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