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2020年9月8日(火)

宙舞う瓦・トタン

台風10号、広く住宅被害

強風が長く続いて

■長崎市

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(写真)台風10号で屋根が吹き飛ばされた家屋=7日、長崎市伊王島町(内田隆英市議提供)

 「こんなに長く吹き荒れた台風は初めて」。長崎市伊王島町(約690人)に住む日本共産党の内田隆英市議によると、台風10号は7日午前2時ごろ、ピューという音のすごい風が吹き出し、同11時20分現在も吹きっぱなしだといいます。「一瞬、後ろに押し戻されるような強さでした。窓ガラスが揺れ、養生テープで補強したガラスも割れました」

 内田さんの家族は6日午後4時ごろ、ホテルに避難しましたが水が出ず、トイレも使えない状態で、自宅へもどらざるを得ませんでした。

 一夜明け、商店街の魚屋、八百屋などで屋根瓦が飛び、屋根に穴が開いていました。内田さん宅の屋根瓦も飛ばされました。トタン屋根が飛んだり、屋根のスレート材が飛び、近所の壁に突き刺さったりした住宅もあります。

 窓が割れたアパートもありますが、けが人は出ていません。港も潮が吹き上がり、市内と結ぶ連絡船は昨日から欠航しています。

 同県平戸市大野町(165人)では杉の木が倒れ、電線に引っかかり、4カ所で私道などをふさいでいます。国道などの倒木はかたづけられましたが町中の道のものは手つかずのままです。

 男性(65)によると、風が一番ひどかったのは午前3時ごろ。ピュー、ピュー、トタンがはがれて飛んでいきました。早朝から午後1時現在まで停電が続いているといいます。

 深刻なのは農業ハウスが軒並み、つぶされ、ビニールがはがれたり、横から押し倒されたりしたことです。ハウスではゴーヤー、ミニトマト、イチゴ、アスパラなどを育てています。育稲センターの作業小屋やハウスも被害に遭いました。

 男性は「遅植えの水稲が倒れかけ、出たばかりの稲穂が風になぶられ、実の入らぬものになってしまう」と心配します。

避難所 不安の一夜

■熊本県

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(写真)台風情報を心配そうに視聴する避難者=6日、熊本県水俣市(高岡朱美市議撮影)

 7月豪雨による球磨(くま)川の氾濫で浸水被害に見舞われた熊本県人吉市の女性(80)は「人吉からはバスで熊本市内の県立劇場に約30人が避難するなどの状況でしたが、新型コロナの不安もあったので自宅で警戒しました。洪水が一番心配だったので球磨川のライブカメラで様子を見守りました。大事には至らずよかった」と語りました。

 一部地域で停電被害がでた水俣市の高岡朱美市議(日本共産党)は、地域の避難所設営の準備段階から参加。「6日午前8時の開場前から集まってきた約40人の避難者はテレビの台風報道を心配そうに見ていましたが、暴風域が離れた7日午前には安どの色を浮かべ家路に着きました」と話しました。

島の修理業者不足

■甑島列島(鹿児島県)

 台風10号は、九州本土から西に30キロほど離れた甑島(こしきしま)列島(鹿児島県薩摩川内市)でも猛威をふるいました。

 下甑島に住む50代の女性は、台風が接近した6日から7日朝にかけて避難所で一夜を過ごしました。「停電で真っ暗な中、窓ガラスがガタガタと音を立て、不安と恐怖で眠れなかった」といいます。

 この女性は、自宅の窓ガラスが割れたり屋根瓦が飛ばされたりしました。「島では修理業者の数も限られ、材料も本土から取り寄せないといけません。すぐには対応してもらえず、それまではシートをかけて雨風を防ぐしかない」と落ち着かない様子です。

 日本共産党の井上勝博市議が住民から聞いた話によると、下甑島の青瀬地区では、屋根が飛ばされたり瓦が落ちたりする被害が目立ち、水浸しで住むことができなくなった家屋もあるといいます。

 市の担当者は「住宅被害の確認に回っているところで、全体的な被災状況は把握しきれていない」と説明します。

道路上に屋根落下

■奄美大島(鹿児島県)

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(写真)台風10号の強風で屋根が飛ばされた住宅=7日、鹿児島県奄美市(荒田幸司市議撮影)

 6日に台風10号が接近した鹿児島県・奄美大島では、強風により住宅のトタン屋根が飛ばされるなどの被害がありました。

 日本共産党の荒田幸司・奄美市議は、風が弱まった7日午前、市内の状況を確認。「1人暮らしの70代の男性は避難所にいて無事でしたが、平屋建ての自宅の屋根が風にあおられて道路上に落ちました。引き続き被災状況を把握したい」と話しています。市内の各避難所には、最大で計2492人が避難しました。一部の地域では7日も停電が続きました。


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