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2020年8月21日(金)

米海軍 感染兵ら沖縄移送を計画

今年3月 横須賀、厚木も検討

日本政府の頭越し

 今年3月、新型コロナウイルスの感染爆発が発生した米原子力空母セオドア・ルーズベルト(TR)をめぐり、米海軍は4千人を超える感染者や乗組員の大半の移送先として日本国内を検討し、沖縄県の米海兵隊基地への移送を計画していたことが、米海軍の調査報告書で明らかになりました。報告書によれば、米第7艦隊は今年2月時点で、TR打撃群に感染者が出た場合の寄港地として、沖縄県のホワイトビーチや神奈川県の横須賀基地、グアムを列挙していました。

 TRは3月5日~9日にかけてベトナム・ダナンに寄港後、24日に3人の感染を確認。第7艦隊は25日、沖縄に加え、神奈川県の厚木基地とグアムを移送先として検討。在沖縄米海兵隊は26日、5000室を隔離室として提供できると提案しました。

 さらに27日の米軍内の会議では、沖縄に3000室、厚木に移送可能な部屋が400~600床あることが示されました。

 TRは27日、グアムに寄港しましたが、感染者が急増。宿泊施設が足りないため、第7艦隊は28日、乗組員の沖縄への空輸計画の作成を命じ、沖縄の普天間基地など、複数の在沖縄海兵隊基地の宿舎を空けるよう求めました。米軍は並行して、ホテル確保をめぐってグアム州知事と協議を行う一方、日本政府や沖縄県には一切、打診を行っておらず、頭越しに移送計画を進めていました。

 最終的に、太平洋艦隊司令部は29日、沖縄までの9時間の空輸による感染拡大のおそれや、日本政府との関係を複雑にすると判断。同計画を却下しました。TR乗組員の感染者は最終的に1248人に達し、1人が死亡しています。


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