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2020年8月8日(土)

翁長雄志前沖縄知事急逝2年

県民は団結と勇気受け継ぐ

日本共産党県議団長 渡久地修さんに聞く

 保守・革新の垣根を乗り越えた「オール沖縄」の初の知事として、同県名護市辺野古の米軍新基地建設反対を、命がけで最後まで貫いた翁長雄志(おなが・たけし)前知事(享年67歳)の急逝から、8日で2年がたちます。オール沖縄の一翼を担う日本共産党の渡久地修県議団長に、翁長氏が残したものについて改めて聞きました。(洞口昇幸)


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 翁長前知事は一昨年の沖縄全戦没者追悼式(6月23日)の「平和宣言」で、「辺野古に新基地を造らせないという私の決意は県民とともにあり、これからもみじんも揺らぐことはありません」と明言しました。

基地なくす遺志

 翁長前知事の残したものは、基地のない「平和で誇りある豊かな沖縄」を実現しようとした遺志であり、沖縄県民が心一つに立ち上がれば、どんなことでも動かせるという誇りと勇気と確信です。それを受け継いでいかなければなりません。

 「県民同士が争う様子を上から笑って見ている人がいる」と翁長前知事は語っていました。基地問題で保守や革新が争っていては、強大な日米両政府に太刀打ちできない、だから県民は団結しなければいけないと強く訴えていました。

 沖縄は戦後から現在も米軍基地の集中に苦しめられ続けています。新たな基地は造らないで「世界一危険」である米軍普天間基地(同県宜野湾市)を返還してほしいという、県民のせめてもの願いを、日米両政府は一顧だにしません。

 このことに憤りを感じて沖縄の保守・自民党の重鎮だった翁長雄志氏が決断して立ち上がったことは、とても大きなことでした。

 翁長前知事が亡くなった後の知事選では、後継でオール沖縄の玉城デニー現知事が、過去最多得票で圧勝しました。この2年間で行われた国政選挙などでもオール沖縄が勝利しています。

 昨年2月の県民投票では辺野古新基地反対の明確な圧倒的民意を示し、今年6月の県議選でも、日本共産党は1増の7候補全員が勝利し、新基地反対を公約に掲げた候補で過半数を獲得しました。

 沖縄県民は翁長前知事の遺志を絶対に忘れません。遺志を引き継ぐデニー知事は、新基地阻止に向けて「あきらめず、ぶれることなく、全身全霊をもって県民の思いに応えていく」と、繰り返し表明しています。

 「誰一人取り残さない社会」を掲げ、翁長前知事の県政運営を多面的に発展させるために奮闘するデニー知事を、しっかりと支えなければなりません。

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(写真)記者会見する翁長雄志知事(当時)=2018年7月27日、沖縄県庁

共闘の源大きく

 オール沖縄は弱体化したという意見がありますが、そんなことはありません。翁長前知事が示したオール沖縄の道は、歴史的に大きい太い流れになっています。オール沖縄のたたかいが、全国的な市民と野党の共闘の源流の一つとなり、米国議会も動かし始めています。着実に全国・世界の世論と運動に影響を与えています。

 この流れをもっと大きく太くするため、揺るがぬ決意でたたかい抜くことが大事です。

 自民党安倍政権は、オール沖縄打倒のために分断攻撃をさらに強めてくると思います。攻撃をはね返すために、団結をさらに強めることが必要です。

 来る総選挙で、沖縄1区選出の日本共産党の赤嶺政賢衆院議員を初めとする沖縄の4区全てでのオール沖縄の勝利と、全国の野党共闘の勝利をめざすときです。勝利によって安倍政権に代わる日本共産党を含む野党連合政権が誕生すれば、新基地建設阻止に向けて政治が大きく動きます。

 翁長前知事と県民がともにつくり上げてきたオール沖縄の成果を確信に、その確信とたたかいの進路をさらに伝え広めることが、ますます重要な責務となっています。


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