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2020年7月31日(金)

在独米軍1万2000人削減

米国防長官 欧州司令部も移転方針

トランプ氏“ドイツが費用払わないから”

 【ワシントン=遠藤誠二】エスパー米国防長官は29日、ドイツに駐留する米軍の3分の1にあたる約1万2000人を削減すると正式に発表しました。これに合わせ、欧州軍司令部をドイツのシュツットガルトからベルギーに移転させる方針も明らかにしました。

 在独米軍の削減はトランプ大統領が先月、表明していました。エスパー長官は29日の会見で、3万6000人の駐留米軍を2万4000人にすると発表。ドイツを去る米兵1万1900人のうち、約5600人を別の北大西洋条約機構(NATO)加盟国に配属させます。同長官はイタリア、ポーランド、黒海周辺国をあげました。それ以外の6400人は米国内の基地所属となります。

 エスパー長官は、「NATOは強化され、ロシアに対する抑止力も高める」「依然として2万4000人以上の部隊がドイツに残っており、これは他のどの欧州諸国より多い」と指摘しました。

 トランプ大統領は6月中旬、NATO加盟国が合意している国防支出目標をドイツが守っていないと批判。「支払うまでわれわれ兵士の約半分を引きあげる」「われわれはドイツを守っているのに、ドイツは義務を怠っている。ばかげている」などと主張していました。

 同大統領は29日、「われわれはもう利用されたくはない」「彼らが支払わないからだ。単純だ」と述べました。

 共和党のロムニー上院議員は、「同盟、友好国の顔をひっぱたくようなもの。大きな誤りだ」と批判しました。

 11月の米大統領選挙で野党民主党の候補者指名を確実にしているバイデン前副大統領の陣営は、バイデン氏が大統領に就任すれば、在独米軍削減の決定を見直すと表明しています。


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