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2020年7月25日(土)

弱者視点の水上文学

福井 藤野氏が一滴文庫訪問

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(写真)学芸員の下森さん(右端)の説明を受ける(左から)藤野、猿橋両氏=23日、福井県おおい町

 福井県おおい町で23日、日本共産党の藤野保史衆院議員が、郷土作家の故水上勉氏の「若州一滴文庫」を訪れ、学芸員の下森弘之さんと懇談、弱者の視点に立つ水上文学について交流しました。猿橋巧町議、上原修一嶺南地区委員長らが同席しました。

 同施設は、水上氏が1985年に開設し、蔵書や資料、美術作品を展示しました。現在はNPO(特定非営利活動)法人が運営しています。昨年は水上氏の生誕100年を迎えました。

 藤野氏は、水上氏が「心友」の不破哲三氏との共著の中で紹介した「一滴文庫」の由来にふれました。「一滴の水」には「旱魃」(かんばつ)に苦しんだ地元民の嘆きと水を大事にする思いがこもっており「掘り起こすべきは、故郷の先達のこういう精神であって、故郷を、大量のエネルギーの浪費をささえる原発などの場にすべきではない」と述べています。

 藤野氏が「故郷への『在所』の思いが非常に感じられます」と述べると、下森さんは「(水上氏は)『在所』を大事にしている。自身の根っこになっている場所」だと応じました。

 下森さんは、水上氏が障害児の親として当時の池田勇人首相に書簡を送り、障害者への偏見に対し「人である以上、社会に出て人と関わり合って生きていくのが人間だ」と訴え、国会の社会福祉の議論を促したエピソードを紹介しました。

 藤野氏は「(水上氏の)物事を見る視点を政治を見る場合も大事にしたい」と述べました。

 藤野氏らは、蔵書や竹人形館、くるま椅子劇場、水上文学にゆかりの深い作家の作品などを見学しました。


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