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2020年7月10日(金)

きょうの潮流

 「なんでやねん」。大阪市天王寺区の喫茶店で男性客2人が声を張り上げていました。現金10万円の一律給付のことでした▼「おまえんとこ、きたか」「まだや」「大阪市は遅いなあ」「3%なんやて」「いま11%や」「寝屋川市なんかは早かったのになあ。なんで、大阪市は遅いねん」「業者に、丸投げしよったんや。しかも経験のないとこにな」▼一律給付は6月末までに全国の総世帯数のおよそ70%で完了しましたが、大阪市が給付を終えたのは約152万世帯のうち10・9%にとどまりました。全国の20政令都市のうちで最低です▼松井一郎大阪市長は記者会見で、遅れの理由について「システム稼働の遅れに加えて、届いた申請書の支払いまでの各工程において、滞留が発生していた」と説明しました。コンピューターシステムの電力不足解消のため工事が必要だったとか▼市が委託した業者は過去にプレミアム付き商品券の発券作業を担当した事業者。リーマン・ショックを受けた2009年の定額給付金制度の作業を経験した事業者ではなく、松井市長は「給付作業への認識が甘かった」と陳謝しました▼大阪市のコロナ対策は医療提供体制の強化はじめ市民・事業者や文化芸術団体への支援でも他の政令市と比べ貧弱です。一方で大阪市が募った「雨がっぱ」は約33万枚が集まり、市は「医療機関をはじめ必要とする現場で有効に活用」と感謝したものの多くが活用されず山積み。「とにかく思いつきなんですよ」と、市職員も嘆きます。


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