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2020年7月8日(水)

きょうの潮流

 小6の息子が先日、社会のテストを取り出しました。テーマは「憲法と政治のしくみ」。図を示して、三機関が国の重要な仕事を分担するしくみを問う設問も。正解は「三権分立」です▼「権力が1カ所に集まると、行き過ぎを止められなくなる」から「国民の権利利益を守るため」にある―首相官邸ホームページの子ども向けコーナーに記載されています。裁判所は「内閣が行う政策が憲法に違反していないかチェックする役割」を持ち、「憲法の番人」と呼ばれるとも▼この間、国民が国などを訴える行政訴訟の判決が相次ぎました。一つは、生活保護費の大幅引き下げは違憲、違法として保護利用者が訴えたもの。もう一つは、優生手術を強いられたとして東京都の男性が損害賠償を求めていたもの。判決はいずれも、原告の請求を棄却しました▼国が生活保護費の減額を決めた背景には、自民党の公約が。2011年に保護利用者が過去最多となり、当時野党だった同党議員が生活保護バッシングをあおりました。政権交代後、安倍政権は恣意(しい)的な計算式を使って保護費減額を強行。名古屋地裁はこれを問題ないと▼優生保護法訴訟で東京地裁は、男性への手術に関しては違憲性を認めたものの請求権は消滅したとしました。法の違憲性も判断しませんでした▼国の人権侵害や不法行為とどう向き合うのか。こんな司法判断がまかり通るなら、小学生に三権分立を説明できますか? 裁判所は憲法の番人としての役割をもう一度勉強し直すべきです。


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