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2020年6月13日(土)

第2次補正予算案に対する紙議員の反対討論

参院本会議

 日本共産党の紙智子議員が12日の参院本会議で行った2020年度第2次補正予算(同日成立)に対する反対討論の要旨は以下のとおりです。


 2次補正に盛り込まれた雇用調整助成金の上限引き上げや家賃支援給付金、学生支援給付金の創設などは不十分さや問題点はあるが賛成できます。反対するのは予算の3分の1を占める10兆円もの予備費が計上されているという一点からです。

 憲法83条は「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基づいて、これを行使しなければならない」と定めています。国の財政活動は政府に白紙委任してはならないというのが、憲法が定める財政民主主義の大原則です。

 政府は、野党の指摘を受け10兆円のうち5兆円の大まかな内訳を示しましたが、予備費には変わりはありません。残る5兆円は具体的な使途を決めず政府に白紙委任することを求めています。財政民主主義の大原則に反し、国会の監視機能の否定につながるような前例をつくれば将来に重大な禍根を残します。

 新型コロナウイルス感染症に必要な対策、課題は山積し、“自粛と一体の補償を”の立場で、大打撃を受けている暮らしと営業を支えるのも急務です。

 総理は相変わらず、検査は「医師が必要と判断した方」や濃厚接触者、医療従事者や入院患者等「感染が疑われる方だ」と答え、医療や介護、福祉従事者を全て検査するとは言わず、PCR検査態勢整備予算は366億円だけで少なすぎます。

 コロナ対応医療機関ほど経営が大変で、1・2兆円の財政支援を速やかに届けるべきです。それ以外の医療機関には融資の拡大や診療報酬の一部概算前払いだけで、減収への補償を行うべきです。

 雇用調整助成金の相談数は46万件を超えるのに、支給決定はわずか8万1285件。実際に支給されたのは推計で133万人だけ。わが党は「まず給付し、審査は事後チェックに切り替えるべきだ」と提案しており、スピード感ある決断を求めます。

 持続化給付金をオンライン申請しても届かないと悲鳴が上がっています。サービスデザイン推進協議会への丸投げと電通への再委託問題やGo Toキャンペーン事業の事務委託費など、なぜこのような仕組みにしたのか明らかにすべきです。

 農林漁業対策が急がれます。学校給食などの減少で国内消費が落ち込み、輸出が止まり生産過剰で価格が下落しているのに、TPP(環太平洋連携協定)などで関税を下げた牛肉の輸入が増えています。安倍政権が進めた効率化、規模拡大や輸出・インバウンド頼みのもろさが明らかになりました。再生産できる支援が必要です。

 子どもたちの学び、心身のケア、感染防止のため、20人などの少人数学級を実現するために教員を10万人増やし、スタッフを思いきって増やすべきです。

 新型コロナウイルス感染症は、グローバル化に乗って世界に広がり、命と経済の格差など社会のひずみをあぶり出しました。経済優先でなく、命・安全第一の社会をつくるため力を尽くす決意です。


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