2020年5月31日(日)
感染拡大ピーク時 病床確保 想定の6割
次の流行備え体制強化課題
専門家会議
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新型コロナウイルス感染症患者を受け入れる病床について、各都道府県が感染拡大のピーク時に約3万1000床が必要だと見込んでいるのに対し、実際に確保したのは約1万8000床と6割にとどまることが、29日に政府の専門家会議が発表した提言の資料で分かりました。
ピーク時に想定される病床数は全国で計3万1415床。これに対し、確保した病床は26日時点で1万8346床(58・4%)でした。想定病床数が最も多い東京は4000床に対し、確保したのが3300床(82・5%)。大阪府は3000床の想定に対し、1179床(39・3%)、神奈川県は2800床に対し、1346床(48・1%)などとなっています。軽症者などが療養できる宿泊施設は全国で1万9565室を確保しました。
専門家会議は次の流行の波に備えた政策課題の一つとして医療体制の強化を挙げました。感染者が少ない時でも準備しておくべき最低限の病床や宿泊療養施設の目安を改めて示し、都道府県に確保を求めるよう提言。対応可能な病床を空けておくことや感染が疑われる患者を受け入れる病院の確保、医療機関への財政的支援、平時の医療体制との切り替えが円滑に行われるようにすることなどを掲げました。