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2020年5月31日(日)

コロナ専門家会議の議事録なし

「歴史的緊急事態」検証に障害も

それでも菅官房長官「適切」

 政府が新型コロナウイルスに関する専門家会議について、発言者を明示した議事録を作成せず、議事概要にとどめていたことが29日分かりました。専門家会議での議論はコロナ危機への対応に実質的に極めて重要な役割を果たしており、将来、今の政府の対応を検証するのが困難になる可能性があります。新感染症に対する政府の姿勢が問われるもので野党からは批判の声が上がっています。

 内閣官房によると、専門家会議は感染症の専門家や弁護士ら12人がメンバーで、医学的見地から政府に助言を行います。2月の初会合以降、5月29日までに15回開かれました。

 政府は3月に新型コロナ感染を公文書管理ガイドラインに基づく「歴史的緊急事態」に指定。政策決定を行う政府対策本部については開催日時、発言者とその内容など詳細を記した議事録を作成することになっています。

 一方、ガイドラインは、それ以外の政策決定を伴わない会議の文書作成に関し、限定的な内容にとどまることを許容しています。菅義偉官房長官は29日の記者会見で、専門家会議は政策決定などを行わない会議だと説明。「ガイドラインに沿って適切に記録を作成している」と強弁しました。

 日本共産党の志位和夫委員長は29日のツイッターで「政府の新型コロナ・専門家会議の議事録が作成されていないことは重大だ。首相が、『専門家会議の助言を得て』と繰り返すように、コロナ対応の政策決定に決定的影響を与えている会議の議事録がなくては、国民は検証する術がなくなる。専門家会議の尾身副座長も『公開に問題ない』と(述べている)。今からでも公開すべきです」と述べました。

 立憲民主党の枝野幸男代表は会見で「政府の言い分は全く国民の立場に立っていない」と批判。国民民主党の玉木雄一郎代表は記者団に「重要局面で記録を残していないのは歴史に対する背信行為だ」と訴えました。


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