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2020年5月30日(土)

雇調金遠い支給

千葉・成田 2月から仕事ないバス会社

窓口混乱 申請できず

 新型コロナウイルスの感染拡大にともなう緊急事態宣言が解除されました。ただ休業を余儀なくされた企業の苦境は続いています。日本共産党などの要求で国は雇用調整助成金(雇調金)を拡充してきたものの、手続きや支給が迅速に進まず問題になっています。(遠藤寿人)


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(写真)稼働できず車庫に駐車したままのA社長のバス=千葉県成田市(「商工新聞」提供)

 千葉県成田市で中国からのインバウンド(訪日外国人旅行者)専門の貸し切りバス会社を経営する、社長のAさんに現状を聞きました。Aさんは2月と4月に「しんぶん赤旗」に登場。月100万円はかかる固定費の問題などに頭を悩ましていました。

運転手自宅待機

 仕事は2月から、まったくない状況が続いています。学校も休校。遠足、修学旅行、社会科見学もありません。10人のドライバーは「アルバイトをしてコロナにかかったら元も子もない」と自宅待機にしています。

 Aさんは日本政策金融公庫から融資を受け、国の雇調金で従業員の休業手当を賄おうと思っていました。雇調金は会社側が休業手当を支給して従業員を休ませる場合、国がその費用の一部を助成するもの。会社側が従業員に支給する休業手当の原資になります。日本共産党は早くから、雇調金の拡充と迅速な支給を繰り返し求めてきました。

 Aさんは3月末、雇調金を申し込みに行くと「年度が変わってやり方が変わる。手続きが簡素化されるので待ったほうがいい」とすすめられ、書類は作ったのですが1回、思いとどまりました。

 その後、助成率が9→10割、1日当たりの上限は8330→1万5000円に引き上げられます。引き上げは歓迎するものの、「ハローワークの人達も混乱し始めた」といいます。

 ハローワークには雇調金関係に詳しい人がおらず、千葉労働局から書類を送ってもらいました。対応や説明がころころ変わり、何度電話しても話し中が続きました。結局、申請できないままここまで来ました。

 Aさんは「雇調金が出たという会社があれば、その会社より前に申請したのに出ていない会社がある。順番通りになっていない。あきらめて申請をやめた会社もある。対応が落ち着くまで待ったほうがいいと思った」と戸惑いを隠せません。

手元資金ゼロに

 この先の見通しといえば、7月に日本政府が中国人(個人)の入国を許可するかもしれないなどの断片的な情報があるだけ。Aさんは「来月10日の給料を支払うと手元資金がゼロになる。しんどい。雇調金が早くおりるようにしてほしい」と話します。


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