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2020年5月25日(月)

文化の灯 消すまい

三重・明和町 「人形劇団どむならん」

 三重県唯一のプロ人形劇団「どむならん」(明和町)は、新型コロナウイルス感染症で公演が中止・延期に追い込まれる苦しい中、「文化の灯を消してはならない。子どもたちに笑顔を」と、がんばっています。(三重県・松島圭祐)


写真

(写真)人形劇団「どむならん」の3人。右端が西出和人さん

 「どむならん」とは、伊勢弁で「何をやらかすか分からず、まわりの大人をヒヤヒヤさせるわんぱくな子ども」のことです。

 命名どおり、いたずら好きの子どもたちの生きいきした笑顔を創造のよりどころにしてきました。

 「子どもたちに生の人形劇を」と旗揚げしたのが1994年9月。現在の団員は、美術担当・うねのたえこさん、イラストが得意なカトウアスカさん、腹話術もする西出和人さんの3人です。

 公演は三重県内だけでなく北海道から九州まで、保育園や幼稚園、子ども園を中心に年間100ステージ以上にのぼります。

 ところが新型コロナの影響で、2月末に公演が延期になったことに始まり、3月は出張公演と新作発表会が中止・延期となり、上演は1公演のみ。4・5月は公演なし。子どもたちの笑顔が見られない日々が続いています。

上演できる日信じて

団員の西出さん

 西出さんは、現状や今後への思いを次のように語っています。

 どんなに財政が厳しくても、地域文化の灯を、人形劇の灯を消したくありません。家賃と人件費の支払いは滞らせるわけにはいきません。使える制度は利用し、継続できる努力をしていきます。それだけに雇用調整助成金や持続化給付金を利用する上での正確な情報を伝えてほしい。

 うれしかったのは、三重県人形劇協会がカンパをしてくれ、周りにも呼び掛けてくれたおかげで、複数の方から寄金をいただいたことです。みなさん、苦しい中でもお心遣いしてくださり、本当にありがたかった。

 緊急事態宣言が解除されたりしていますが、まだいつになったら今まで通りの上演ができるようになるのか見当もつきません。しかし、子どもたちが本来の姿を取り戻し、子どもたちの前で上演できる日がくることを信じて疑いません。子どもたちが笑顔になれる日に向かって、新作も作り、練習も頑張っていきたい。


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