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2020年5月23日(土)

全人代開幕 中国、成長率目標見送り

コロナ対策で特別国債発行

会期を短縮

 【北京=釘丸晶】中国の国会に相当する全国人民代表大会(全人代)の第13期第3回会議が22日、北京の人民大会堂で開幕しました。李克強首相は政府活動報告の冒頭、新型コロナウイルスへの対応について「感染症対策は大きな戦略的成果を収めている」と強調。今年の経済成長率目標については「世界の感染状況と経済・貿易情勢の不確実性」を理由に発表を見送りました。


 新型コロナ対策では「公衆衛生緊急対応管理などの面で多くの脆弱(ぜいじゃく)部分が表面化し、大衆の一部の意見と提案を重視すべきだ」とも表明。初動対応の遅れなどへの批判を一定受け入れる姿勢を見せました。感染症対策として1兆元(約15兆円)の特別国債の発行を表明しました。

 経済成長をめぐっては、都市部での新規就業者数を900万人以上とすると約束。874万に達する大学新卒者に対し雇用を促し、大学と地元政府に対しては、持続的な就業サービスの提供を求めました。

 李首相は「貧困脱却は『小康(ややゆとりある)社会』の全面的建設のために必ずやり遂げなければならない任務だ」と強調。貧困救済措置の実施強化や再貧困化した人に対するモニタリング・救済メカニズムの完備と実行を掲げました。

 台湾問題について「『台湾独立』の分裂行動は断固阻止する」と改めて訴えました。

 また、同日全人代に提出された予算案によると今年の国防予算は前年比6・6%増の1兆2680億500万元(約19兆円)となりました。

 1998年以降、毎年3月5日に開幕していた全人代は新型コロナの感染拡大の影響を受け、約2カ月半遅れでの開催となりました。全人代の会期は例年の10日前後から1週間に短縮され、28日に閉幕します。


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