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2020年5月22日(金)

きょうの潮流

 余人をもって代えがたい、必要不可欠な存在。政府がそう評してきた人物が辞めることになりました。なんと賭けマージャンで。検察ナンバー2の黒川弘務・東京高検検事長です▼安倍政権が法や憲法をねじ曲げ、閣議決定までして引き延ばした彼の役職定年。今国会、反対世論の急速なひろがりによって断念した検察庁法改定案の発端となった特例です。その渦中で、しかも緊急事態宣言の下で、当の検察官が賭け事に興じていたとは▼権力は人を堕落させる―。古今東西の歴史が教える教訓でしょう。それは黙従する取り巻きも。政治学者の中野晃一さんは「しかしまあ、日銀、NHK、内閣法制局、国税庁、法務省・検察庁と安倍の政治任用で権威も信憑(しんぴょう)性も完全にズタボロになったね」とツイッターに▼見過ごせないのは雀卓を囲んでいたのが新聞記者だったことです。報じた週刊誌によると、産経記者のマンションで同社の記者2人、朝日新聞の記者だった社員と。いずれも元検察担当だといいます▼なによりも気をつけなければいけない権力との癒着。それを疑われる行為自体、ジャーナリズムの退廃とみられます。まして闇の賭けマージャンでどんな関係をつくろうとしていたのか▼森友・加計、桜を見る会をはじめ、首相みずからのあまたの疑惑や失政をとりつくろうため、周りもまた人として壊れ、傷ついていく。国や社会の仕組み、人間のあるべき姿を変ぼうさせる負の連鎖。それを断ち切るには元凶を取り除くしかありません。


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