2020年5月6日(水)
「新しい生活様式」定着を
感染予防へ 専門家会議が提言
新型コロナウイルス対策を議論する政府の専門家会議は4日に出した提言で、新規の感染者数が限定的となった地域で感染拡大を予防するため普及すべきだとした「新しい生活様式」の具体例を示しました。
同会議は1日の提言で、「感染状況が厳しい地域」については外出自粛や接触機会の8割削減などを継続すべきだとした上で、それ以外の「新規感染者数が限定的となった地域」でも再び感染が拡大する可能性があるため、長丁場に備えた「新しい生活様式」の日常的な定着が求められるとしていました。
4日の提言では具体的に▽人との間隔をあける▽真正面での会話を避ける▽外出時や会話時にマスク着用▽感染流行地域とそれ以外の地域間の移動を控える▽レジに並ぶ時は前後にスペースをあける▽公共交通機関での会話は控えめに▽食事は対面でなく横並びに座る―などの生活上の実践例を紹介しています。
提言は、飛沫(ひまつ)・接触感染や近距離での会話への感染予防策を生活に取り入れることで、新型コロナウイルス感染症をはじめとする各種の感染症の拡大を防げると強調。専門家会議の尾身茂副座長は同日夜の記者会見で、「発症2日前と発症直後のウイルス排出が多いことが分かってきた。無症状の感染者が他人にうつす可能性がある」として、(1)人との距離を取る(2)手洗いの徹底(3)マスク着用―の3原則を心がけてほしいと呼びかけました。
また、大都市部を中心にPCR検査の実施件数が増加しなかった原因について、提言では▽保健所の業務過多▽検査を行う地方衛生研究所の不十分な体制▽検体採取者や検査実施者の感染防護具の不足―などを挙げました。今後は医師が必要と判断した軽症者を含む感染疑いの患者にも迅速・確実な検査が実施できる体制に移行すべきだとして、国や都道府県の対応を求めました。
専門家会議が提言した「新しい生活様式」実践例の一部
■一人ひとりの基本的感染対策
三つの基本:(1)身体的距離の確保(2)マスク着用(3)手洗い
*人との間隔をできるだけ2メートル、最低1メートルあける
*会話はできるだけ真正面を避ける
*外出時や会話時にマスク着用
*帰宅時にまず手や顔を洗う
*感染流行地域とそれ以外の地域間の移動を控える
*帰省や旅行は控えめに
*発症した時のため行動をメモ
■日常生活上の基本的生活様式
*まめに手洗い・手指消毒、せきエチケット、換気
*3密(密集、密接、密閉)回避
*毎朝の体温測定、健康チェック
■場面別の生活様式
*買い物でレジに並ぶ時は前後にスペース
*公園はすいた時間、場所を選ぶ
*公共交通機関での会話は控えめに。混む時間帯を避ける
*食事は対面でなく横並びに座る
*大皿料理や回し飲み、冠婚葬祭などで多人数の会食を避ける
■働き方
*テレワーク、時差通勤、オンライン会議
*対面の打ち合わせは換気とマスク着用