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2020年5月5日(火)

中国全人代22日開幕

コロナ・経済・脱貧困が焦点

 延期されていた中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の開幕が今月22日に決まった4月29日、習近平国家主席は中国共産党政治局常務委員会で発言し、「湖北防衛戦、武漢防衛戦は決定的な成果を上げ、全国の新型コロナウイルス阻止戦は重大な戦略的成果を得た」と勝利宣言しました。

 全人代は1998年以降、毎年3月5日に開幕してきましたが、コロナの対応で今年は延期に。香港メディアによると、例年は約2週間の会期が、今年は1週間ほどになる見込みです。

 焦点は、「第2波」が懸念される新型コロナ対策。また、今年1~3月期の国内総生産(GDP)が前年同期比6・8%減となった経済をどう立て直すのかです。

 さらに、中国政府は今年を「小康(ややゆとりある)社会」の全面的建設の年と位置付け、「貧困人口ゼロ」の実現を宣言しています。経済が打撃を受ける中で目標達成が危ぶまれており、脱貧困も大きなテーマです。

 中国政府はコロナの抑え込みをアピールする一方、習主席が提唱する「人類運命共同体」の理念を押し出しています。国営メディアは「中国は人類運命共同体の理念を主管し、国際社会の共同したコロナとのたたかいを推進し、責任ある大国として、世界に自信と力をもたらす」と強調しました。習主席は新型コロナの感染拡大後、30カ国以上の各国指導者と電話で会談。約140カ国に医療物資を提供し、16カ国に医療チームを送るなど国際貢献をアピールしています。

 一方、新型コロナの最初の感染爆発が昨年12月に起きた湖北省武漢で、肺炎患者の存在を警告する医師がいながら、なぜ中国当局の初動が遅れ、世界にウイルスがまん延したのかの徹底検証はまだ行われていません。

 中国は4月、周辺国と主権を争う南シナ海の諸島に新たな行政区を設置。香港の民主派らへの圧力も強めており、国際社会の懸念を呼んでいます。

 全人代では、経済政策や外交、香港・台湾問題なども議題となります。中国が国際社会からの信頼を得る方針を打ち出せるのか、注目されます。

 (小林拓也)


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