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2020年4月25日(土)

カナダ 学生に給付金

コロナ対策法案提出へ 6900億円 雇用創出策も

 カナダのトルドー首相は22日、新型コロナで苦境に陥る学生のために90億カナダドル(約6900億円)の支援計画を発表しました。生活費などにあてるための「緊急学生給付金」を創設し、学生向けに雇用を創出します。関連法案を連邦議会に提出する考えです。(鎌塚由美)


 カナダでは4月が大学の年度末です。学生は通常、5月からの「夏のアルバイト」で秋の新学期に向けて学費や生活費を稼ぎます。トルドー首相は、新型コロナの影響で学生たちはバイトもできず、親にも頼れず、苦境に立たされていると指摘。収入減となった労働者には「緊急対応給付金」(月2000カナダドル)を打ち出しましたが、同給付の対象とならない学生たちがいるとし、「緊急学生給付金」で支援すると表明しました。

 「学生給付金」は、月1250カナダドル(約10万円)を支給。障害がある、または扶養家族のいる学生は1750カナダドルとなります。期間は5~8月までの3カ月で、高校を卒業した生徒や新卒の社会人も対象です。バイトなどの収入が1000カナダドルに満たない学生も受け取れるとしています。

 このほか、新型コロナ対策などで政府が7万6000件の雇用を創出し、1000~5000カナダドルを支払います。先住民の学生への支援強化のほか、中・低所得家庭向けの奨学金の支払額の倍増や、学生ローンの金額引き上げも盛り込みました。大学院生のための奨学金の延長などに2億2916万カナダドル(約220億円)も示しました。

 トルドー首相は、「経済と国の未来は、われわれが今日、学生に提供する機会と支援にかかっている」と述べ、「学生たちが学業を続けられるように支援し、コミュニティーに奉仕することを励まし、一緒に苦難を乗り切る」と語りました。

 カナダ政府はすでに、学生ローンについては、3月末から6カ月間の支払い猶予を実施しています。


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