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2020年4月22日(水)

学生に直接支援を

バイトなし 就活ストップ 奨学金返せない

 新型コロナウイルス感染拡大が学生に打撃を与えています。アルバイト先の休業や親の収入減、オンライン授業の不安ものしかかり、直接支援を求める声が広がっています。(笹島みどり)


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(写真)立ち入りが制限されている東京大学本郷キャンパス=21日、東京都文京区

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(写真)学生・院生の実態や、学費や奨学金制度の問題でFREEが開いたシンポジウム=3月16日、参院議員会館

 「下宿で仕送りはないのに、二つかけもちしていたバイト収入がどちらも無くなり、不安でいっぱいです」と訴えるのは、山梨県の大学2年生。

 東京都内の私立大学3年生は、イベントスタッフと試験監督のバイトがキャンセルに。「親から4年になったら奨学金を借りてくれといわれています。就職活動もストップし、いっきに将来が不透明になりました」

 オンライン授業になってもパソコンを持たない人が多く、「授業が聞けない。無償で貸し出してほしい」との声も相次いでいます。

 都内の国立大学院生(26)は「研究棟や図書館などの大学施設の閉鎖で実験や調査ができない」。院生は、数百万円の奨学金を借りながら研究している人も少なくなく、奨学金返済の減免や学位論文の締め切り延長を求める声が上がっています。

 こうしたなか、全国各地の大学で大学授業料の減免を訴える学生グループが結成され「#COVID19学費問題」のタグで、ネット署名が呼びかけられています。労働組合などでつくる奨学金の会は政府に対し、授業料の減免や一律6万円の給付奨学金の1年間支給、オンライン授業の学習環境の格差是正を要請しています。

 「政府が示している『緊急経済対策』には、バイトで授業料や生活費を稼ぐ学生に対する対策がほとんどない」と指摘するのは、学生を対象に緊急調査を行っている「高等教育無償化プロジェクトFREE」の事務局長=東洋大3年生=。

 「孤立している学生も少なくなく、大学等による相談体制も取ってほしい。10年後、20年後の日本を担う若者を支える大胆な対策を求めます」と話しています。

 日本共産党は16日に発表した緊急提案で、学生アルバイトの8割補償、国の補填(ほてん)による授業料の全額返還、奨学金の返済猶予を掲げています。


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