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2020年4月21日(火)

スーパーシティ法案

清水氏の反対討論 衆院本会議

 日本共産党の清水忠史議員が16日の衆院本会議で行ったスーパーシティ法案(国家戦略特区法改定案)の反対討論(要旨)は以下の通りです。


 新型コロナウイルスの爆発的感染を阻止し、医療崩壊を止めるために政治の責任が問われているこの状況下で、なぜ、国家戦略特区法の改正なのでしょうか。急ぐ理由はどこにもありません。

 もともと本法案は、2018年の国会提出以来3度審議入りしないまま取り下げられた欠陥法案です。たった5時間の委員会審議での採決など、あまりに乱暴です。

 そもそも国家戦略特区制度は、官邸主導で規制緩和を推進するしくみで、国民の暮らしと安全にかかわるルールを特定企業の利益のために緩和するものです。政権に近い特定の人物や事業者を優遇する「総理案件」で強引に規制緩和を推し進める制度は、即刻廃止すべきです。

 しかも本法案は、総理大臣によるトップダウンの仕組みをさらに強化するものです。

 法案が進めるスーパーシティ構想の最大の問題は、住民の権利や個人のプライバシー保護がないがしろにされることです。

 先行するカナダのトロント市では、道路や信号機などあらゆる場所に人・モノの動きを把握するセンサーを設置し、ビッグデータを利活用する計画を進めていました。しかし、「人の行動が予測できたり、人が分類され、不公平な扱いや差別を生んだりする可能性が十分にある」という住民の不安や批判が高まりました。

 質疑では、個人情報収集や利活用の内容と住民にとってのメリット、デメリットが事業計画にも書き込まれず、こうした問題が発生することが明らかになりました。事業計画が住民合意なく強引に進められかねません。

 自動運転やドローンによる配送の実証実験のための地域限定型サンドボックス制度は、区域会議で技術実証区域計画が策定され、総理認定を受ければ、道路運送法など住民の安全を守るための許可は不要となります。

 車の自動運転の実証実験では、すでに海外で人身事故も起きています。安全性を監督する監督官庁の権限をなくし、規制緩和を住民の安全性に優先させる仕組みの導入を認めることはできません。


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