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2020年4月15日(水)

コロナ下 筋ジス患者245キロ移送 北海道

国立八雲病院 閉鎖計画

「命の危険 中止して」

 新型コロナウイルス感染拡大のさなか、国立病院機構が北海道で唯一の筋ジストロフィー患者専門病院、国立八雲病院を閉鎖し、8月から筋ジス患者を札幌に移送する方針を打ち出し大問題になっています。患者の家族や医療関係者から「命にかかわる。病院を存続し、移送は中止を」の声があがっています。(阿部活士)


地図

 八雲病院は、筋ジス120床と、重症心身障害者120床があります。現在、筋ジス患者全員が人工呼吸器を使用し、在宅では命をつなぐことができない医療をうけ、生活しています。

次男が入院

 ところが、国立病院機構は2015年に八雲病院を閉鎖し、筋ジス患者を札幌に、重心の患者を函館の病院にそれぞれ移転する計画を発表しました。これにたいし、「八雲病院を守る住民の会」(住民の会)がつくられ、八雲に存続を求めてきました。

 「『札幌移転』に反対しているのではない。八雲病院で治療したいと思う患者・家族がいるのだから、残すべきだと何度となく声をあげてきた」と話すのは、「住民の会」共同代表の小林石男さん(71)です。八雲町生まれの小林さんの長男と次男が筋ジスにかかり、現在八雲病院で次男(46)だけが療養しています。

 昨年9月、機構は、ことし8月に移送をおこなうと発表。八雲町から札幌市までの移動距離は245キロもあり、函館市まで82キロもあります。移送時には、八雲病院の職員で足りず、北海道・東北圏の国立病院の医師と看護師の支援をうけると説明しています。

 日本共産党は、紙智子参院議員が国会論戦で取り上げるなど、患者・家族の願いをうけとめ存続を求めてきました。

写真

(写真)全医労八雲支部の組合員と懇談する紙智子参院議員(左から2人目)と畠山和也前衆院議員(左端)=2019年9月26日、北海道八雲町

局面が一変

 ことし3月26日の全医労との交渉で、「9月1日を廃止日にし、事前リハーサルは6月ごろ、職員の転勤内示は7月1日を予定している」ことを明らかにしました。しかし、4月12日に、北海道と札幌市は再び「緊急事態宣言」を出し、札幌市への往来を自粛するよう求めたことで局面が変わりました。

 全医労北海道の鈴木仁志書記長は「新型コロナの道内での感染拡大は、機構側の移送作業や事前リハーサル、病院閉鎖そのものが正しいのか、問うものだ」と機構側のかたくなな態度を批判します。

 実際、八雲病院では新型コロナの感染を防ぐため2月から家族らの病院立ち入りを禁止しています。

 さきの小林さんもいいます。「筋疾患の子どもたちは心臓や肺機能が弱っているので、感染するのを心配しています。立ち入り禁止で次男と相談も会うこともできない。感染が『長期戦』といわれるなか、コロナ感染が広がる札幌に命の危険を冒しても移送するのか。これを機会に、移送計画をやめ、八雲病院にも一定規模の機能を残してほしい」

統廃合白紙に戻せ

 全医労の香月直之委員長の話 国立病院は、民間病院では担えない政策医療を担うところです。新型コロナという感染症対応でも、全国の国立病院を地域センターとして位置づけ、専門医と看護師、検査技師などをふだんから養成・訓練することこそ求められると思います。公立・公的病院の統廃合計画を白紙に戻し、公立・公的病院を含めた地域医療の確保・拡充へ転換すべきです。


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