しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年4月14日(火)

新興国 資本逃避が深刻

最貧国の債務返済停止を

国際通貨基金がよびかけ

図

 世界の大手金融機関が参加する国際金融協会(IIF)は新型コロナウイルス感染症の影響で新興国からの資金流出が、リーマン・ショック時を超えるペースで起きているとするリポートを9日に公表しました。

IIFが公表

 IIFによると、新興国における海外居住者からの株式や国債など有価証券への投資資金は、3月だけで833億ドル(約9兆円)流出しました。1カ月としては過去最大の流出額です。リーマン・ショック直後の新興国における資本流出額のおよそ620億ドルを大きく上回りました。

 新型コロナウイルス感染症の新興国経済への影響は、1月には中国にとどまっていましたが、その他の新興国で進行していた原油など資源価格の低落による経済悪化にともない、急激な資本逃避が引き起こされています。

 IIFの予測によると、海外居住者の中国を含めた新興国への投資は、2020年に4440億ドルとなり、19年の9370億ドルから、およそ4930億ドルの資本が逃避することになります。

 中国を除いた新興国への投資は、20年に3040億ドルと予測。19年の6780億ドルから3740億ドルの減少となっており、中国以外の新興国への資本逃避の影響がより深刻になっています。

金融緩和が…

 これらの資本逃避の背景には、この間の各国の金融緩和により投資家が新興国の国債や株式への投資を広げてきたことがあります。国債などへの投資が引き揚げられることで、新興国が新型コロナウイルス感染症への対策をとりにくくなります。

 国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は、9日の声明で「この2カ月間で新興市場国から流出した証券投資額が約1000億ドルに上っており」、「新興市場国と発展途上国が何兆ドルもの対外資金調達を行う必要がある」とし、最貧国の債務返済の停止を呼びかけています。


pageup