2020年4月12日(日)
救急医療崩壊「実感」
2学会が声明、危機感表明
新型コロナウイルスの感染拡大で、救急救命センターが心筋梗塞などの重症患者を受け入れられない事態が起こっていると、日本救急医学会と日本臨床救急医学会が9日、救急医療の現状と課題を訴える声明を出しました。「医療崩壊の最初の兆候である救急医療体制の崩壊を実感している」と危機感を表明しています。
声明は、救急隊からの搬送依頼のなかで、発熱や呼吸器症状を訴える患者を受け入れる病院が少なくなり、救急搬送困難な事例が増えた結果、肺炎疑いの患者などはほとんどの場合、救命救急センターで受け入れざるを得ない状況だと指摘。
本来の重症救急患者の受け入れができない事態が生じていて、とくに心筋梗塞、脳卒中、多発外傷など緊急を要する疾患で治療のタイミングを逸する「救急崩壊」が危惧されるとのべています。
また、受け入れた救急患者が後で陽性と判明する事例も増えているとして、迅速検査の必要性を強調。感染を防ぐ医療用マスク、ガウンなどの個人防護具の圧倒的不足は、救急崩壊を加速しかねない重大な懸念事項だと厳しく指摘しています。