2004年1月4日(日)「しんぶん赤旗」
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“先物市場を理解する”政治家を応援する──。商品先物業界は、業界のためにはたらく政治家への支援をはっきり掲げ、自民党を中心に多数の国会議員に巨額の政治献金をおこなっていました。
業界政治団体からの献金(二〇〇〇年─〇二年)を受けた議員などを三十位まであげると別表のようになります。一面所報のように商工、農水関係の議員が目立ちます。
献金先はどうやって選ばれるのか──。
「毎年春先に幹部が集まって、支援要請のある政治家の業界への貢献度を検討した。そのうえでその年に政治献金やパーティー券購入で支援する人物のリストを決めた」
こう語るのは、業界の中心的政治団体として一九九二年に設立された「商品先物市場振興会」(振興会)の会計責任者を務めた商品先物業界関係者です。
同会会則の「本会の目的」には「先物市場の発展、振興をはかるため、先物市場の制度に理解を有する国政関係議員及び候補者を後援する」とうたっています。
同会は、政治資金規正法改正で政治団体に企業献金ができなくなったことなどを理由に一昨年解散しました。
現在、業界の個人献金をもとに活発に政治献金をしているのは「平成の会」「商取政策研究会」「政経政策研究会」。最初の二つの団体代表者は、業界団体の「日本商品先物振興協会」(先物協会)理事を務める下山彌壽男氏(東京コムウェル会長)。下山氏は前出の振興会の初代代表でもあります。
商品先物業界がこの間、取り組んできたひとつが個人投資家の先物取引所得についての「税制改正」。税制優遇でハイリスクな先物取引に一般の人が参加しやすくなる“利点”があります。
先物協会は「申告分離課税の恒久化」「税率の引き下げ」など四項目を自民党に要望。そのうち三項目が自民党の二〇〇三年度税制改正大綱に反映されました。先物協会は機関紙の一面トップで「画期的な前進」の大見出しを掲げて歓迎しています(「先物協会ニュース」〇三年一月号)。
国民生活センター、「先物取引被害全国研究会」と各地の弁護士会による「110番」活動などには、商品先物取引の被害相談が急増。国民生活センターへの相談件数は二〇〇二年度七千五百七十八件と五年間で二倍以上にはねあがっています。
「生活資金がゼロになってしまった」「多額の損失を出し、手じまいを申し入れたができないといわれた」──。被害の内容はこのように深刻なもので、被害額は、110番に寄せられた平均で二千万円にのぼります。
同研究会の110番集計結果(二〇〇〇年十二月─二〇〇一年三月実施分)によると、取引の危険性などを話さない説明義務違反や、「絶対もうかる」などと断定した勧誘例が約四百件の相談の半数もありました。
「利益を無断で証拠金に入れられた」「もうやめたい、といったが拒絶された」。こんな「客殺し」と呼ばれる実態も被害相談からは浮かんでいます。同集計結果では、損をしても利益が出ても、やめさせない例が百四十四件。売買を繰り返して、ばく大な手数料を稼ぐ手口です。このために商品先物は「相場でなく業者に損をさせられるケースが少なくない」(名古屋弁護士会)といわれています。
年金生活の高齢者からの被害相談や「サラ金からの借り入れを強要された」という例も寄せられており、日本弁護士連合会は二〇〇三年十一月の「商品先物取引制度改革意見書」で、自殺や犯罪誘発が問題化していると警鐘を鳴らしています。
「先物被害は、一部の業者だけが引き起こしているのではない。業者の大半に苦情がある」とも同意見書は指摘しています。