日本共産党

2003年12月23日(火)「しんぶん赤旗」

スペイン

統一左翼が大会

イラクからの撤兵を要求


 【マドリード21日浅田信幸】スペイン統一左翼の第七回連邦総会(大会にあたる会議)は二十一日、九十六人の連邦政治評議会委員を選出し、同評議会で再選されたガスパル・ジャマサレス調整役が閉会演説で三月総選挙での躍進を訴え、閉幕しました。総会はマドリードで十九日から開かれていました。

 統一左翼は、スペイン共産党を中心にした統一政治勢力で、下院(定数三百五十)に八議席を持っています。

 ジャマサレス氏は初日に基調報告を行い、米英連合によるイラク戦争を「道義のない不法、不当な侵略戦争」だと断定し、これに追随したアスナール政権を厳しく批判。「占領の論理を断ち切り、派遣部隊を撤退させ、イラク人自身がみずからの代表を選んで社会と国家を建設できるよう国連がイラクの事態を担うために、統一左翼は政治的イニシアチブをとり続ける」と強調しました。

 国内政治では、アスナール政権が「全分野にわたって新自由主義政策を実行」し、「労働の柔軟化と不安定化、公共サービスの消滅と民営化」が進んだと指摘し、これに対するたたかいを訴えました。

 スペインでは来年三月に、議会任期が満了し総選挙が実施されます。統一左翼は今年の地方選挙で着実に支持を伸ばし、十一月のカタルーニャ自治州議会選挙では議席を五から九に伸ばし、州政府への与党入りを実現したばかり。「統一左翼は無視できない政治的よりどころであり、この国の批判精神の本質部分」だと強調し、総選挙での奮闘を呼びかけました。

 連邦総会には、約七百人の代議員が出席し、基調報告と政治文書(テーゼ)をそれぞれ70%強の賛成で採択しました。

 四十八の外国の共産党、左翼党の代表六十七人が参加しました。日本共産党はメッセージを送り、浅田信幸パリ駐在しんぶん赤旗記者が総会に出席しました。


日本共産党中央委員会のメッセージ

 統一左翼の第七回連邦総会にあたり、心からの連帯のあいさつを送ります。

 私たちは、あなた方が今年五月の統一地方選挙で、四年前の前回選挙で得た地歩を維持し、二〇〇〇年の総選挙での後退からの回復を示す成果をあげたことに注目しています。あなた方の総会が、社会保障予算の拡充など国民生活を擁護するたたかいや、自主的民主的な欧州を構築するとりくみを発展させるうえで、また、来年の総選挙でさらに前進するうえで、大きな成功を収めるよう期待しています。

 日本共産党は、来年一月に第二十三回党大会を開催し、現行綱領確定以来四十二年間の党の政治的・理論的な発展と、新しい情勢の諸特徴をふまえた綱領改定案を採択する予定です。また、最近の国政選挙の後退から深く教訓をつかみ、新たな前進にむかう展望を示す方針を明らかにします。私たちは、この党大会の成功に向け、大会議案の全党討議と党勢の拡大に全力をあげているところです。

 いま国際社会が注視しているイラクの状況は、ますます泥沼化の様相を深めています。米英占領軍を支援するために軍隊をイラクに派遣することは、泥沼化の根本原因である無法な侵略戦争と不法な占領支配に、軍事力をもって加担するものであり、まったく大義がないものです。

 私たちは、イラクへの自衛隊派兵を許さない日本のたたかいも、イラクからのスペイン軍の即時撤退を求めるあなた方のたたかいも、国連を中心とし、イラク国民の意思を尊重する復興に向けた国際社会の道理ある問題解決の方向に合致するものと確信します。

 私たちは、世界平和と社会進歩のためのあなた方との交流と協力がさらに強まることを希望します。

二〇〇三年十二月十九日日本共産党中央委員会


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