日本共産党

2003年11月29日(土)「しんぶん赤旗」

解説

厚生労働省が生活保護など国庫負担切り下げ方針

社会的弱者を直撃


 厚生労働省が打ち出した生活保護や児童扶養手当の国庫負担切り下げ方針は、社会的弱者を直撃する暴挙です。問題の発端は、小泉首相の“国庫補助金一兆円削減”の指示です。厚労省には二千五百億円の削減が割り当てられ、生活保護などの国庫負担を四分の三から三分の二に引き下げる方針が出されました。

 なぜ生活保護なのか。同省は、「一週間で答えを出すよう官邸から指示された。比較的すぐ対応できるもの」(会計課)として、これに手をつけたとしています。

 しかし、生活保護は、憲法二五条の生存権に基づき、健康で文化的な最低限度の生活を保障するための制度です。

 不況やリストラで失業率が上がるもとで、生活保護受給者は一九九五年以降増え続けています。

 二〇〇一年度は過去最高の約八十万五千世帯。厚労省自身、「国民生活のいわば最後の拠り所である生活保護制度は、引き続き重要な役割が期待される」(〇三年版『厚生労働白書』)と位置づけているものです。

 それを、数字のつじつま合わせのように扱い、削りやすいところから削るというやり方は、生活保護の果たすべき役割からいっても許されません。

 国から負担を押し付けられる自治体も反発しています。

 全国市長会は、「生活保護は地域格差をつけるべきではない。弱者救済は国による統一的措置が必要であり、国庫負担金の存続を要望していた。(国庫負担引き下げは)私どもの意に反したものだ。現場は大変なことになる。生活保護を受給できないケースも想定される」(社会文教部)といいます。

 「生活保護の申請が窓口で拒否される事例が増え、すでに受給している人にも実情を無視して『働け』という指導と保護廃止の攻撃が強まる危険は大きい」

 こう話すのは、全国生活と健康を守る会連合会の辻清二事務局長。「生活保護をめぐっては、物価値下げを口実にした保護費の引き下げや高齢・母子加算の廃止問題もあり、政府への要請を強めたい」としています。

 小泉内閣は、〇六年度までに四兆円の国庫補助金削減を掲げています。厚労省は、「これから先四兆円もある。今回で終わりではない」と、他の補助金にも削減の大ナタをふるう構えです。医療、介護、福祉など国民生活に密接にかかわる補助金削減の突破口として、生活保護が狙われているのです。(坂本健吾記者)


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