日本共産党

2003年11月20日(木)「しんぶん赤旗」

国連女性差別撤廃委員会とは?


 〈問い〉 日本政府に批判的な「最終見解」を出した国連の女性差別撤廃委員会とは、どんな国際機関ですか。(熊本・一読者)

 〈答え〉 両性の権利の平等、性にもとづく差別の禁止は国連憲章や人権諸条約にも規定され、国連総会でも何度も確認されましたが、さまざまな女性差別は根強く残っています。この現状を認識し、正す、国際的とりくみが結実したのが、一九七九年に国連総会で採択された「女性差別撤廃条約」(女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約)です。条約は公的領域だけでなく、企業や家庭などあらゆる領域で差別をなくすこと、法律上の差別だけでなく、規則・慣習・慣行などの是正も求めています。母性の保護も規定しています。日本は八五年に批准しました。

 「女性差別撤廃委員会」とはこの条約にもとづいて、条約実施の進行状況を検討するために設置された国際機関です。条約参加国に指名された者の名簿の中から投票で選ばれる、二十三人の委員で構成されています。任期は四年で、委員は自国政府の政策にも拘束されない「個人の資格」で職務を遂行します。

 委員会は、条約参加国から提出される、条約実施状況についての定期的な報告書を審議し、審議の結果を「最終見解」という文書にまとめ、報告国への評価を示し、今後とりくむべきことの勧告などを行います。報告国は、次回の報告までに勧告された点を改善することを、国際社会から期待されます。

 また委員会は、報告審議をふまえ、すべての国を対象にした「一般的な性格を有する勧告」も採択します。個人通報制度の選択議定書を批准した参加国の個人からの、女性差別救済の申し立ても審議します。

 今年七月、委員会は日本政府の報告を審議し、八月に「最終見解」を発表しました。前回九五年のときを大幅に上回る二十二項目の懸念・要請・勧告を示し、日本の女性差別撤廃の遅れを厳しく批判しています。

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 〔2003・11・20(木)〕


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