日本共産党

2003年11月19日(水)「しんぶん赤旗」

ハンセン病元患者の宿泊拒否

熊本の旅館 旅館業法違反の疑い


 熊本県南小国町の黒川温泉にある「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」が国立ハンセン病療養所菊池恵楓園(同県合志町)に入所する元患者の宿泊を「他の宿泊客に迷惑が掛かる」などとの理由で拒否していたことが十八日、分かりました。熊本県が公表しました。元患者の宿泊拒否で、同県が実名公表したのは初のケース。

 県は「人権侵害に当たる」と指摘するとともに、正当な理由なく宿泊を拒んではならないとする旅館業法違反の疑いもあるとして調査する方針です。

 宿泊はハンセン病元患者を支援する「ふるさと訪問事業」として県が企画。十八日に元患者十八人と県職員四人が宿泊する予定でした。

 県によると、同ホテルは九月にいったん予約を受け付けましたが、その後、宿泊予定者が元患者であることが分かり、今月十三日に「宿泊を遠慮してほしい」と県に伝えてきました。

 県は感染の恐れがないことを説明し、再三にわたり受け入れを求めましたが、同ホテルを経営しているアイスター(東京都)は「社の方針として断る」と回答したといいます。

 ハンセン病国賠訴訟原告団副団長の志村康さん(70)の話 (国の隔離政策の公的責任を認めた)熊本地裁判決をないがしろにした話だ。経営者としての認識に欠ける。県は強い態度で臨んでほしい。

 日本共産党の松岡徹熊本県議の話 国が長年にわたって強制隔離政策を続け、国民にハンセン病に対する誤った認識を植え付けてきた結果で、許されない話だ。熊本地裁判決は、国の政策の過ちを断罪しており、国は、偏見・差別をなくすために真剣に努力すべきだ。私も、元患者の人権を守り、真の社会復帰が実現するよう努力したい。


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