日本共産党

2003年9月8日(月)「しんぶん赤旗」

自民党総裁選

「脱派閥」いいつつ
派閥に頼る小泉首相


 八日告示の自民党総裁選は、小泉純一郎首相と、江藤・亀井派の亀井静香前政調会長、橋本派の藤井孝男元運輸相、高村派の高村正彦元外相の四人の争いです。有力候補四人で争った二〇〇一年四月の総裁選と様変わりして、「一強多弱」といわれる様相。「総裁選は政策論争をするところではない」(久間章生政調会長代理・橋本派事務総長)との声も聞かれます。

 「大変心強い」。参院橋本派を束ねる青木幹雄参院幹事長による首相再選の支持表明に、小泉首相はにんまり。

■多数派工作■

 小泉首相は、二十日の開票に向け、総裁選後半には党所属議員と順次懇談し、「反小泉」勢力をとりこむ戦略です。「改革の芽をつぶす動きとは断固たたかう」とまで叫んだ対決姿勢がウソのようです。

 小泉首相は前回総裁選で「派閥政治の打破」を掲げました。しかし、その小泉首相の再選の流れを強める力となったのは主流三派の多数派工作でした。

 森喜朗前首相は森派会合で「小泉首相への協力をお願いしたり、電話をかけたりしてほしい」とハッパをかけ、「反小泉」の統一候補と目されていた堀内光雄総務会長ともいち早く接触。旧加藤派の小里貞利元総務庁長官と小泉首相再選に向けて情報交換をしていたと報じられました。

 「首相支持は私個人の考え」と述べていた青木氏も参院橋本派として支持に動き出しました。

 「自民党をぶっ壊す」「脱派閥」と叫んだ小泉首相を誕生させる力となったのは、都道府県連が実施した予備選での圧勝でした。ところがその地方は、倒産・失業、社会保障の切り捨て、国民負担増という二年四カ月の「小泉政治」でどん底状態です。総裁選告示を前に「不況にあえぐ建設、不動産などの業界や、『小泉改革』が標的にする郵政や医療の関係者らは再選阻止を掲げる」(「朝日」石川県版六日付)動きも出ています。

 「脱派閥」と地方の力で生まれた小泉首相が、今度は派閥に頼り、国会議員票の力関係で地方を抑えつけています。

■自主投票■

 一方、「反小泉」を掲げる派閥の側はどうか。

 橋本派は、藤井氏が出馬表明したものの、事実上の自主投票となりました。堀内派も派閥としての立候補を見送って自主投票。「反小泉」「親小泉」が交錯して混迷しています。

 「関心はすべて総選挙。小泉さんを傷つければ、痛手は自分にふりかかってくる」。橋本派の若手衆院議員は、衆院側からも小泉首相支持が生まれていることについてこういいました。小泉首相を看板に総選挙をたたかう以外に道はないという考えです。

 総裁選告示を前に、すでに国民の暮らしを破壊する「小泉政治」の挙党態勢づくりが動き出しています。


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