2003年7月9日(水)「しんぶん赤旗」
年々高くなる大学の学費は、学生にとってどれだけの負担になるのでしょう。公立大学で国立大学の学費に準拠している都留文科大学(山梨県都留市、学生数約二千九百人)では、初年度納付金は八十万二千八百円。昨年度に比べ、二万八千円増えました。三日、学生自治会は大会を開きました。そこで集めたアンケートを見ると――。
「兄弟が多いので、とても高くてこれではやっていけません…。バイトを二つかけもって授業中ずっと寝ている友ダチもいます」
「親に学費は払ってもらっていますが、学費だけで精いっぱいといわれ、生活費などは奨学金、バイトでまかなっています。けっこうきついです」
「親の仕事がないから、自分で稼ごうとすると、バイトを多くやることになり、勉強に集中できない」
「親のスネをかじっていますが、学ぶために公立でもこれだけ必要になると、兄弟のことを考えてもかなりの負担になるなと思います。(中略)さらにテキスト代、などかかるとなると…つらいです」
二年生からの学費は年間五十万円余り。かりに、自分で生活費と学費をまかなおうという場合、どのくらいアルバイトをすることになるのか。家賃、光熱費、食事代などで約八万円、学費で約四万円とすると月々十二万円ほど必要です。時給千円でも月百二十時間、休日なしで毎日四時間働く計算になります。
自治会役員の土屋沙弥可さん(20)は「これ以上学費を上げられたら大学に行けない、というのは学生の切実な思い」と話します。
政府は、大学「改革」として国立大学法人法案の成立を急いでいます。大学を民営化して競争力をつけ、無駄を省くといいます。土屋さんは「学費がさらに上げられるのでは」と心配します。四日には、全日本学生自治会総連合とともに国会議員に学生の要求を伝えに行きました。「『みんな大変なんだ、我慢しろ』という言い方をされました。学生の生の声を聞かずに大学『改革』などできるのでしょうか」