日本共産党

2003年7月4日(金)「しんぶん赤旗」

文科省が大学に中期目標指示

畑野議員が調査

内部文書で裏づけ


 文科省が国立大学法人法案を先取りして各大学に中期目標・中期計画の作成を事細かに指示していた――この実態が、大学の内部文書で裏づけられました。日本共産党の畑野君枝議員が調査したものです。

 各大学では、昨年三月に国立大学独立行政法人化調査検討会議が最終報告をまとめて以降、中期目標・計画の原案づくりが始まっていました。ところが、文科省が中期目標・計画の項目を示した文書を昨年十一月、十二月に相次いで出すなどし、各大学がそれらにふりまわされたことが「文科省の大学介入」「事前チェック」だとして国会でも大問題になりました。今回、文科省の「指示」を受けた大学側の生々しい反応が判明しました。

 「これまでとかなり違った様相が中期目標・計画の準備の指示内容にある。…今後の法人化制度の中での評価を想定した内容作りを文科省の方で指導してきている」(ある大学の大学改革推進委員会の議事録)

 「中期目標・計画には具体の数値は書かず、抽象的な表現で方向性を示す。ただし部局資料(文科省に出さない大学の内部資料)には可能な限り数値目標を加える」(今年二月に文科省が大学向けに行った説明会で言われたことのメモ)

 遠山敦子文科相は、中期目標・計画の項目を示した文科省の文書は大学の要請で作成されたもので、あくまで自主的な準備の参考資料だと弁明しましたが、実態はそんな生易しいものではなく、文科省の「指示」が事細かに伝えられ、大学の自主性がふみにじられたことがうかがえます。

 次のように記した議事録もありました。

 「三月から四月にかけ、文科省が(中期目標・中期計画の項目についての)ファイナルバージョン…を提示するという話があった」。しかし、「四月後半…文科省に…問いただしたところ、当面出せない、出さないのではなく、出せない状況になっているとの回答であった」。

 これによれば、文科省の指示文書は昨年十二月で終わりではなく、「最終バージョン」を出す予定だったことがわかります。それが「出せない」と言った時期は、国会で法案の問題点が噴出していた時期ですが、それがなければ、最終バージョンで各大学の中期目標・計画をさらに縛るつもりだったということです。


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp