日本共産党

2003年6月14日(土)「しんぶん赤旗」

住宅金融公庫の「証券化支援業務」とは?


 〈問い〉 住宅金融公庫が融資を縮小して行う「証券化支援業務」とは、どういうものですか。(東京・一読者)

 〈答え〉 住宅金融公庫がおこなう融資業務を縮小することを前提に、民間金融が貸し付ける住宅ローンの「証券化支援業務」を公庫の業務に追加させるなどの、住宅金融公庫法等改定案が六月に成立しました。日本共産党は反対しました。公庫に証券化支援業務を行わせることは、二〇〇一年十二月に小泉内閣が決定した「特殊法人等整理合理化計画」に盛られていたものです。

 公庫が行う証券化支援業務には、「買取型」と「保証型」の二種類があります。「買取型」では、民間金融機関の住宅ローン貸付債権を公庫が買い取って債券化し、投資家に発行して資金を集めます。「保証型」ではローンの証券化は他の民間会社が行い、公庫は住宅ローンや民間発行債券の期日どおりの元利返済を金融機関や投資家に保証します。いずれも、ローンの焦げ付きなどの「信用リスク」を民間金融に代わって公庫が引き受けるものです。

 この証券化支援業務は、民間ではできない長期・固定・低利などの特色をもつ公庫融資の縮小と、一体のものと位置づけられています。改定法の付則では公庫そのものも二〇〇七年三月いっぱいで廃止すると明記されています。小泉内閣の「整理合理化計画」では、公庫廃止後の証券化支援業務は新たに設立する独立行政法人が行い、公庫融資のような融資業務を存続するかどうかは民間金融機関の実態を勘案して新法人設立の際に最終決定するとしています。

 しかし、たとえば民間金融の住宅ローンでは、利用者の職業などを理由に融資を断る選別融資が行われています。公庫融資の廃止は民間の選別を助長し、自営業や中小企業労働者などが住宅ローンから締め出されかねません。証券化でもこうした問題は解決できず、公庫融資の代わりとはなりえないものです。

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 〔2003・6・14(土)〕


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